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【特集】
帝王切開後子宮創部に発生した膿瘍により分娩時子宮破裂をきたした1例


高島 明子, 竹下 直樹, 木下 俊彦
東邦大学医療センター佐倉病院産婦人科


 既往帝王切開後経腟分娩時に最も重要視するべきリスクは子宮破裂である.TOLAC(trial of labor after cesarean section)を施行する際には厳重な管理下に分娩を取り扱う事が必要とされる.今回帝王切開後子宮創部に発生した膿瘍が子宮破裂のリスク因子と考えられた1例を経験したので報告する.症例は35歳.7年前に腹式帝王切開術を施行.妊娠40週3日に予定日超過の適応で促進分娩となった.子宮口全開大後に無間歇性の腹痛が出現し,不全子宮破裂を疑われ吸引分娩となった.分娩後に腹痛が増強し,当院に搬送となった.超音波検査にて帝王切開瘢痕部に凝血塊とecho free spaceを認め,子宮破裂の診断で緊急手術を施行した.帝王切開瘢痕部に径4 cm大の膿瘍と凝血塊を認めた.膿瘍は子宮内腔に穿通し,瘢痕部から子宮頸管方向にV字裂創を認めた.膿瘍除去,ドレナージを施行,抗生剤の投与にて軽快した.妊娠前から分娩時まで腹痛や熱発,炎症反応の上昇を認めず,妊娠36週の腟及び手術時の膿瘍の培養検査共にGBS陽性であった事から,分娩前に経腟的上行性感染をし,帝王切開瘢痕部に膿瘍を形成した事が子宮破裂の原因となった可能性が考えられた.TOLACにおける分娩開始前・経過中の詳細な子宮切開創部精査の必要性を再認識した.

Key words:Vaginal Birth after Cesarean, Uterine Rupture, Abscess

関東連合産科婦人科学会誌, 50(1) 201-206, 2013


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