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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション4】
民間療法により1年以上放置され巨大骨盤内腫瘤を形成した侵入奇胎の一例


宮下 昭太, 橘 涼太, 山田 諭, 大岡 尚実, 志村 隆行, 中村 祐介, 近藤 沙織, 山田 靖, 小原 久典, 鹿島 大靖, 宮本 強, 塩沢 丹里
信州大学産婦人科


 胞状奇胎の娩出後,20%程度で侵入奇胎を続発するが,化学療法により寛解が得られる場合が多い.また胞状奇胎娩出後の管理は確立されており,巨大腫瘤を形成する侵入奇胎例は稀である.今回,胞状奇胎除去術後に臨床的侵入奇胎と診断されるも治療を拒否し,民間療法を1年以上続けた結果,巨大骨盤内腫瘤を形成した侵入奇胎の一例を経験したので報告する.症例は49歳,2011年に近医で胞状奇胎除去術を施行後,16日目にhCGの再上昇を認め臨床的侵入奇胎と診断された.化学療法等の治療を勧められたが,拒否し独自に民間療法を行っていた.17か月後に性器出血,全身倦怠感,腹部膨満感を主訴に前医を受診した.hCG高値とCTにて子宮と連続する血流豊富な径約14cmの骨盤内腫瘤,腹腔内出血および肺転移を認め,侵入奇胎と考えられた.2日後に突然の腹痛と血圧低下があり,CTにて腹腔内出血の増加を認めた.その後止血が得られたため化学療法を開始したが,3日目に再度ショックとなり,当科へ救急搬送となった.前医の血管造影では腫瘤部分は上・下腸間膜動脈から80%の栄養を受けており,塞栓術や手術療法は困難と判断した.リスク診断スコアからhigh risk GTNと診断し,出血,凝固異常に対する治療を行い,当科入院後22日目から化学療法を再開した.7コース施行後,hCGは陰性化したが,骨盤内腫瘤は径12cmで残存していたため,摘出術を施行した.腫瘍は子宮後壁が腫大したものであり,回腸およびS状結腸間膜から血流を受けていた.術後再びhCGが上昇したため化学療法を更に4コース追加し現在寛解している.本例では多量の腹腔内出血に加え,腸管膜動脈からの血管支配が管理上の問題点であった.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 318-318, 2013


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