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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション4】
胎児共存奇胎を先行妊娠とする臨床的絨毛癌治療後に生児を得た1例


天津 慎子, 平野 結希, 簡野 康平, 佐藤 茂, 三塚 加奈子, 東郷 敦子, 西村 修, 平澤 猛, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学専門診療学系産婦人科


【緒言】胎児共存奇胎は胎児と胎児奇胎部分を合併し,妊娠10,000例に1例程度の稀な疾患である.今回我々は,胎児共存奇胎を先行妊娠とする臨床的絨毛癌に対して化学療法を施行後に生児を得た症例を経験したので報告する.【症例】32歳,2経妊0経産,部分胞状奇胎の疑いで妊娠18週2日に当院紹介となった.初診時の血中hCGは317,544IUと高値であり超音波やMRIの所見からは正常胎児・胎盤とは別に胞状奇胎を認めたことから胎児共存奇胎が疑われた.性器出血が持続し,胞状奇胎部分の増大傾向を示したため,十分なインフォームドコンセント後に患者,家族からの希望があったことより,妊娠19週3日に妊娠中断となった.摘出標本は正常胎盤・胎児と胞状奇胎部分を認め,胞状奇胎部分の免疫組織化学検査にてp57KIP2が陰性を示していたことから,胎児共存奇胎で雄核発生の全胞状奇胎であると考えられた.奇胎娩出後血中hCGは順調な低下を示していたが,術後のCTで多発肺転移を認め,絨毛癌診断スコア7点で臨床的絨毛癌と診断された.追加治療としてEMA/COを6クール終了後に肺転移巣に対してVATS(胸腔鏡下手術)を施行.その後外来では再発兆候なく経過観察中であったが,治療終了後4ヶ月で自然妊娠に至り,厳重な管理のもと妊娠37週0日で選択的帝王切開術が施行された.児および胎盤組織に明らかな異常を認めず,術後のCT検査でも再発や転移の所見を認めなかった.【結語】本症例は避妊する様に指導していたにも関わらず,患者の強い希望により妊娠・分娩に至ったが,絨毛癌治療後早期の妊娠に関してはその管理方法に定まったものはなく,避妊指導のあり方や妊娠中の管理については課題が残った.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 318-318, 2013


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