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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション4】
妊娠18週に胎児死亡に至った胎児共存部分胞状奇胎の一例


松田 祐子, 依藤 崇志, 松井 泰佳奈, 松村 優子, 手島 薫, 齋藤 知見, 山本 祐華, 牧野 真太郎, 竹田 省
順天堂大学産婦人科


(緒言)胎児共存胞状奇胎は10000〜100000妊娠に1例で胞状奇胎全体の1.1%に見られる稀な疾患である.胎児が存在する部分胞状奇胎と,正常胎児と全奇胎との二卵性双胎があり,前者では大部分が初期に流産する.しかし過去の報告では2nd trimesterまで妊娠が継続する部分胞状奇胎では,妊娠20週前後まで診断がつかなかった症例も報告されている.今回診断に苦慮した胎児共存部分胞状奇胎の1例を経験したので報告する.(症例)28歳0経妊0経産 自然妊娠で妊娠成立した.初期より近医で妊婦健診を施行されていた.妊娠14週の妊婦健診時BPD25.4mm(-2.2SD)と胎児発育不全を認めた.その後妊娠16週でBPD25.1mm(-2.5SD),胎児脳室拡大,著名な胎盤肥厚,母体の卵巣腫大が出現した.経腹超音波上胎盤はvesicle pattern様の所見は認めるものの典型的ではなかったが,血中hCG値は930000IU/mlと異常高値を認めた.胎児共存奇胎を疑い経過をみたところ,妊娠18週に胎児死亡を認め,妊娠19週死産分娩となった.肉眼上は児に外表奇形は認めなかった.胎盤病理所見は正常絨毛内に胞状構造が混在しており部分胞状奇胎の診断であった.DNA起源解析検査を提出し結果を待っている.(考察)今回我々は診断に苦慮した胎児共存部分胞状奇胎の1例を経験した.本症例の様に,2nd trimesterまで妊娠が継続するような稀な症例では,必ずしも早期の診断が容易ではない.また一方で胎児共存奇胎はその発生機序により続発する存続絨毛症や絨毛癌の発生リスクが異なるため,分娩時の組織提出など詳細な検査により確定診断を得ることが重要である.このためには分娩前に胎児共存胞状奇胎を疑うことが非常に有用と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 319-319, 2013


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