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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション6】
子宮内膜異型増殖症に対して全腹腔鏡下子宮全摘術を施行したところ,漿液性腺癌だった一例


宮武 典子, 杉山 太朗, 佐柄 祐介, 成田 篤哉, 石井 博樹, 宇田 優貴, 西島 義博, 東郷 敦子, 前田 大伸, 村松 俊成, 三上 幹男
東海大学医学部付属八王子病院産婦人科


【緒言】近年,婦人科手術における腹腔鏡下手術の割合は増加傾向にあり,その適応も広がりつつある.子宮全摘に関しても腹腔鏡下手術を導入する施設が増加しており,今後開腹手術に替わり標準術式となる可能性も十分あると考える.今回,子宮内膜異型増殖症に対して全腹腔鏡下子宮全摘術を施行したところ,最終病理組織検査結果が漿液性腺癌だった症例を経験したので報告する.【症例】39歳,2経妊2経産,1年以上続く不正性器出血で前医受診し,超音波検査にて子宮内膜ポリープが疑われた.子宮内膜細胞診は陰性であった.MRI上,子宮内腔に明らかな腫瘤性病変は確認できなかった.当院紹介となり子宮鏡にて子宮内腔に腫瘤を認めたため,子宮内膜ポリープの診断で子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術を施行した.病理組織検査は複雑型子宮内膜異型増殖症であった.その後追加手術として,全腹腔鏡下子宮全摘術を施行したところ,病理組織検査で漿液性腺癌,diffuse type,筋層浸潤1/2以上の診断であった.今後更なる追加手術の予定である.【考察】子宮内膜異型増殖症は前癌病変の性格を有することから取扱いは慎重にするべきである.治療としては子宮摘出であるが,最終診断で癌の併存率が高い疾患とされている.びまん性の筋層浸潤を呈する子宮体癌では,MRIによる筋層浸潤の診断が難しいと考えられ,悪性の診断がつかないまま手術が行われる可能性がある.腹腔鏡下手術は利点の多い手術ではあるが,悪性腫瘍に対する手術としてはコンセンサスが得られていない.悪性の可能性が少しでもある場合の腹腔鏡下手術に関しては,その適応を慎重に考慮すべきである.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 325-325, 2013


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