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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
子宮平滑筋腫内に異型平滑筋組織を認めた一例


矢野 亮, 岩本 豪紀, 増永 彩, 山崎 龍王, 田村 和也, 大田 昌治, 小林 弥生子, 梅澤 聡
武蔵野赤十字病院産婦人科


 平滑筋肉腫が平滑筋細胞から発生するか否かは未だ明確ではない.今回当院で筋腫核出術を施行した結果,正常平滑筋組織内に浸潤性に増殖する異型平滑筋組織を認め,病理学的に平滑筋細胞が変異した可能性を示唆する症例を経験したので報告する.症例:43歳,1経妊1経産,前医にて2年前より徐々に増大する子宮嚢胞性病変,および左卵巣腫瘍を認め精査目的に当院紹介となった.挙児希望が強く,精査のうえ筋腫核出術または子宮全摘出術を選択する方針となった.MRIでは子宮後壁に6cmの嚢胞性病変(T1低信号/T2高信号),4cmの左卵巣腫瘍(T1高信号/T2中等度信号)を認めた.腫瘍マーカーはCA125 37.2U/mlと軽度上昇,CA19-9 32.5U/ml,LDH171 IU/lはいずれも基準値内であった.PETではFDG集積を認めず,造影CTでは転移巣を疑う所見は認めなかった.以上より積極的に悪性を示唆する所見に乏しく,変性子宮筋腫,左内膜症性嚢胞を疑い,腹式筋腫核出術+卵巣腫瘍摘出術を施行した.病理組織診にて,卵巣腫瘍は内膜症性嚢胞と診断された.子宮腫瘍核出検体では,肉眼的に浮腫状および液状変性を来たしており,顕微鏡学的には同部位において正常平滑筋組織に接して異型紡錘形細胞が密に存在し,浸潤性に増殖していた.核分裂像は3/10HPFで明らかな凝固壊死を認めないものの,免疫染色ではこの部位に一致してα-平滑筋アクチン陽性,Desmin陽性,Ki67陽性率20%と高値を示した.以上より病理組織学的に正常平滑筋組織内に異型平滑筋組織を認め,平滑筋細胞から平滑筋肉腫が発生する可能性を示唆する一例と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 359-359, 2013


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