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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
4回の再発腫瘍摘出術を経て長期生存が得られている卵巣癌IIIc期の1例


天神林 友梨, 櫻井 学, 前山 哲朗, 野口 里枝, 中尾 砂理, 越智 寛幸, 小貫 麻美子, 水口 剛雄, 松本 光司, 佐藤 豊実, 吉川 裕之
筑波大学産婦人科


【緒言】III-IV期の上皮性卵巣癌は,2年以内に約半数が再発するとされ,再発後の生存期間中央値は2年とされている.また,再発治療は化学療法が主となる事が多い.今回,我々は4回の再発腫瘍摘出術を経て初回治療後10年という長期生存が得られている進行卵巣癌を経験したので報告する.【症例】患者は55歳未経妊婦,卵巣漿液性腺癌IIIc(pT2a,N1,M0).初回治療として腹式単純子宮全摘出術,両側付属器摘出術,骨盤内および傍大動脈リンパ節廓清術,大網切除術を施行(complete surgery)後,パクリタキセル・カルボプラチン(TC)療法を6コース行った.27か月後に小脳転移にて再発し,開頭腫瘍摘出術および全脳照射(50Gy)を施行した.照射から36か月後,CTで右閉鎖節領域に長径26mmの結節を認めた.PET/CTでも集積がみられたのは同部位のみで,腫瘍摘出術後にTC療法を5コース行った.化学療法終了から12か月後のCTで,再び右閉鎖節領域に25mmの結節を認め,TC療法2コース後に腫瘍摘出術を施行.ほぼ同じ部位での2回目の再発であった事から摘出術と化学療法での完治は困難と判断し,術後にTC療法3コース施行したほか,外照射(56Gy)を追加した.4回目の再発は,照射終了から14か月後のPET/CTで右傍結腸溝の16mmの結節として指摘された.やはり孤立性の再発で,TC療法2コース後に,腫瘍摘出術を施行.結腸周囲の大網に10mmの結節を認め摘出した.術後にもTC療法を追加し,現在,初回治療から10年を経て無病生存となっている.【結論】再発を繰り返す卵巣癌であっても,薬剤感受性癌であることのほか孤立性の再発であれば,腫瘍摘出も考慮することで長期生存が図れることを念頭に置く必要があると考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 373-373, 2013


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