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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
大量の腹腔内出血を伴う子宮穿孔の診断にMRIが有用で,腹腔鏡下手術が可能であった1例


石田 友彦, 小池 ひとみ, 安達 麻理, 与那嶺 正行, 阿部 一也, 村木 紗知, 長谷川 澄子, 疋田 裕美, 山本 幸彦, 大橋 浩文, 丸茂 元三
板橋中央総合病院産婦人科


 子宮内容除去術における合併症で最も重篤なものは子宮穿孔であり,保存的治療で軽快するものが多いが,開腹手術が必要な症例も存在し,適切な診断が必要である.今回我々は,大量の腹腔内出血を伴う子宮穿孔の穿孔部位をMRIで確定でき,腹腔鏡下手術で治癒可能であった症例を経験したので,報告する. 【症例】29歳2妊0産で近医にて妊娠6週の診断で人工妊娠中絶が行われた.内容物に絨毛が確認できたが,胎盤鉗子による前壁操作中に穿孔を来たした可能性が高いとのことで,当院に紹介となった.経腟超音波所見ではダグラス窩に液体貯留像があり,子宮体部前方に線状陰影を認めた.MRIでは,頚部近くから体部を縦断するように子宮筋層を穿孔した部分がはっきりと描出していた.腹腔内出血が多いと考えられたため,腹腔鏡検査を施行した.子宮体部に大網が強固に付いている部分があり,流血もみられていた.子宮内よりインジコカルミンを注入したところ,同部位からの流出があり,穿孔部位を確定診断した.鉗子にて慎重に大網を引出し,穿孔部位を縫合した.腸液の流出など明らかな腸管穿孔を疑わせる所見はなかった.術後経過は良好であったが,血中hCGの低下が不良であり,穿孔部位への絨毛の迷入が強く疑われたが,自然軽快した. 【結語】MRIを施行することで,子宮穿孔部位を的確に把握できた.子宮内容除去術に伴う子宮穿孔では,腹腔内の内容物を子宮内に引き出すことがなければ保存的治療が可能と考えられているが,医原性穿孔であるため慎重な経過観察が必要であり,腹腔鏡検査は有用であると考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 381-381, 2013


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