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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【若手ポスターセッション4】
卵巣原発Dysgerminomaの一例


小川 貴久, 近藤 さや, 手島 薫, 楠木 総司, 木村 美葵, 金田 容秀, 寺尾 泰久, 竹田 省
順天堂大学産婦人科


 Dysgerminomaは若年者に多く,全卵巣原発腫瘍の約1%を占め,悪性卵巣腫瘍群でも約3〜5%と稀な疾患である.我々はDysgerminomaの一例を経験したので報告する.症例は37歳,3回経妊2回経産婦.検診の経腟超音波で骨盤内腫瘍を認めた.経腟超音波で120×86mm大の辺縁不正で充実部分を有する分葉状腫瘍と腹水の貯留を認めた.腫瘍マーカーはCA125 81 U/mL,CA19-9 19 U/mL SLX 83 U/ml CEA 0.8 U/mL,AFP<1ng/ml hCG 2.3 mIU/ml LDH439 IU/Lであった.PET-CTでは,骨盤内の腫瘍にSUVmax12.9の集積を認めた.卵巣癌を疑い手術を行った.術中所見は,左卵巣腫瘍は直腸に浸潤しており,卵巣癌根治術に加えて低位前方切除術を行い,complete debulking surgeryを施行した.病理診断はDysgerminomaで直腸漿膜に浸潤を認め,FIGO IIc期と診断し,術後補助化学療法としてBEP療法を施行し,現在外来経過観察中である.Dysgerminomaは85%が30歳以下という若年女性の卵巣腫瘍である.ほかの成分を混在することが多く,予後は混在する悪性度の高い腫瘍成分に規定され,胎児性癌と混同されることが多いが腫瘍マーカーで概ね鑑別することができる.若年女性に好発であり妊孕性が問題となるが,放射線や化学療法が有効である.Dysgerminomaについて文献的考察を加え発表する.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 453-453, 2013


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