関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【若手ポスターセッション7】
水疱性類天疱瘡を合併した子宮体癌患者の一例


西澤 しほり, 鈴木 千賀子, 伊藤 陽介, 酒井 華乃, 関根 花栄, 平崎 真由子, 上山 和也, 窪 麻由美, 時田 佐智子, 田嶋 敦, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科


【緒言】水疱性類天疱瘡は全身の皮膚や粘膜に水疱が多発する自己免疫性皮膚疾患であり,本症と種々の悪性腫瘍との合併も報告されている.今回,我々は子宮体癌IA期の患者に水疱性類天疱瘡を合併したが早期診断・治療により本症が劇的に改善を認めた症例を経験したので報告する.【症例】73歳,3経妊3経産.検診で子宮体癌が疑われ当科受診.子宮内膜細胞診でclassIIIb,子宮内膜試験そう爬術で,endometrioid adenocarcinoma(G1)であり子宮体癌の診断で手術予定となった.手術待機中に全身にそう痒感を伴う紅斑と水疱を認めたため,当院皮膚科受診.各種検査により水疱性類天疱瘡と確定診断された.水疱性類天疱瘡の治療としてプレドニゾロン(PSL)30mg/日を内服開始とし,PSL投与開始23日目に腹式単純子宮全摘術+両側付属器切除術+大網切除術+骨盤内リンパ節郭清を施行した.術後病理診断はendometrioid adenocarcinoma,G1,pT1aN0M0,FIGO;1Aであった.術後経過は良好であり,水疱性類天疱瘡についてもPSL投与開始27日目には水疱は軽減し,四肢体幹に色素沈着を認める他は皮膚症状は軽快した.術後15日目よりPSLを減量し,更に血漿交換を3回行うことで新生水疱を認めず,術後2カ月で退院となった.【結語】水疱性類天疱瘡の発生頻度は,15万人に1人であり,65歳以上の高齢者に多い.また,悪性腫瘍を合併することも報告されている.皮膚症状出現時から原因検索を行い,術前からPSL経口投与し,術後も継続することで新たな水疱形成を認めず軽快した貴重な症例を経験した.水疱性類天疱瘡の発症後1年以内の皮膚疾患の再発率は約50%といわれており,今後も産婦人科だけでなく皮膚科と連携して,慎重な経過観察が必要と思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 461-461, 2013


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会