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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【若手ポスターセッション9】
分娩中に発語障害をきたしたHemorrhagic strokeの1例


柏木 唯衣, 仲谷 傳生, 向 麻利, 望月 亜矢子, 古田 直美, 内田 季之, 谷口 千津子, 鈴木 一有, 杉原 一廣, 伊東 宏晃, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科


【緒言】突然発語障害をきたして経腟分娩となり,産後搬送され画像上ではPRESがありHemorrhagic strokeと診断し,降圧剤投与,脳浮腫コントロールで軽快した症例を経験したので報告する.【症例】31歳,0経妊,既往歴に特記事項なし.妊娠39週3日,前期破水で入院し,翌日朝よりプロスタグランディンF2αで促進した.分娩第I期から応答が鈍く,第II期には発語できなくなった.分娩時血圧は140/90mmHg程度の高血圧であった.18:22に分娩となった後も発語障害を認めることから当院に22時頃搬送となった.入院時収縮期血圧は125mmHg,GCS=E4V1M6,軽度右方麻痺を認め開口は可能であったが,舌の前方突出はできなかった.頭部CTでは左前頭葉皮質下出血,左Sylvius裂にクモ膜下出血があり,MRIは両側尾状核,両側後頭葉,左被殻にFLAIRで高信号域がありDWIで高信号ではないことから血管性浮腫が認められた.血管攣縮は明らかではなかった.硫酸マグネシウムは使用せず,Caブロッカーによる降圧(収縮期100-120mmHg)とグリセリンによる脳浮腫治療を行った.産褥1日目言葉を発し始め,3日目では舌運動は改善しGCSは15点となった.発語の反応がやや遅いこともあるがICUより一般病棟へ移った.発症2週間後のMRIで皮質下出血以外の多発性血管性浮腫は軽快し,産褥22日目独歩退院となった.【考察】Hemorrhagic strokeは子癇との鑑別のためにFAST(Fast,Face,Arm,Speech,Timely)が大事となる.痙攣を機に対応することが多いが,今回の症例のように痙攣がなければ上肢片麻痺,発語障害の症状を迅速に把握しなければ後遺症発症につながると考えられる.脳の近赤外線酸素飽和度モニタリング結果を併せて報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 465-465, 2013


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