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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
TCRによる筋腫核出部への妊娠により,切迫子宮破裂を来たした1症例


栗原 朋子, 仲村 勝, 布施 由紀子, 野田 佳照, 都築 陽欧子, 吉丸 真澄, 宮田 あかね, 宮崎 薫, 小川 真里子, 吉田 丈児, 高松 潔
東京歯科大学市川総合病院産婦人科


【緒言】子宮筋腫核出後の子宮破裂の頻度は0.24〜5.3%と報告されているが,TCR(transcervical resection)術後の子宮破裂に関する報告は少ない.今回,我々はTCR術後の妊娠において切迫子宮破裂をきたした症例を経験したので報告する.【症例】38歳女性.0経妊0経産.右卵管角付近の15mm大の粘膜下筋腫に対してTCRを施行した.その8ヵ月後に,自然妊娠が成立した.妊娠18週時点の経腹超音波検査にて子宮内腔の変形を認めた.その後,妊娠25週時点にMRI検査を施行したところ右卵管角の膨隆および同部位への胎盤付着を認めた.この時点では,筋腫核出部妊娠か卵管角妊娠かの鑑別が困難であった.妊娠32週時点で切迫早産の管理目的にて入院管理をした.妊娠34週時点でのMRI検査でも前回同様の所見であり,右卵管角周囲の筋層の高度菲薄化を認めた.このため,子宮破裂の予防のため,妊娠35週6日時点での選択的帝王切開術施行の方針とした.術中所見は,右卵管角からやや内側に離れた部位に胎盤が透視できる状態であり,TCRでの核出部妊娠と判断した.胎盤剥離がやや困難であった.なお,胎盤剥離後の筋層菲薄部は縫合にて補強した.(発表では,帝王切開術時の動画を供覧したい.)術後の経過は良好であり,術後は胎盤遺残なくMRIでは縫合部の瘢痕を認めるのみで子宮の形状の正常化が確認できた.【結語】今回,我々はTCR術後に切迫子宮破裂をきたした症例を経験した.TCR術後妊娠の管理において,症例によっては筋腫核出術後妊娠同様,子宮筋層の菲薄化を念頭にいれる必要があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 482-482, 2013


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