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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
妊娠21週で死産になったリステリア感染症合併妊娠の1例


園田 正樹, 森田 政義, 堀澤 信, 山本 かおり, 布施谷 千穂, 本藤 徹
長野赤十字病院産婦人科


【緒言】リステリア感染症は食品を介して集団感染することのある人獣共通感染症である.リステリアは稀な感染症であるが,妊娠中は健康人と比較して十倍以上感染しやすいとされ,母体死亡,流早産の原因になる.今回我々は,妊娠21週でリステリアによる敗血症を来し,流産に至った症例を経験したので報告する.【症例】22歳,1経妊0経産,モンゴル人,人工妊娠中絶後にIUDを挿入していたが,自然妊娠が成立し,日本で妊婦健診を受けていた.妊娠18週よりモンゴルに帰省し,日本に帰国した直後の妊娠21週3日に咽頭痛,高熱,子宮収縮を主訴に当科を受診した.来院時39.6度の発熱があり,超音波検査で胎児死亡を確認し,精査加療目的に入院となった.入院時の白血球数は22900/μl,CRPは14.0mg/dlと高値であった.上気道症状みられたがインフルエンザ抗原は陰性.IUDに関連した子宮内感染を疑い,TAZ/PIPC 17.5g/dayを開始した.入院後速やかに陣痛発来し,460gの女児を娩出した.入院時の血液培養,尿培養,腟培養からListeria monocytogenesが同定された.3日目に症状,検査所見は著しく改善した.感染の原因食材はモンゴルで摂取したチーズや羊肉を疑った.【結語】リステリア感染症は,妊娠中罹患しやすい疾患にも関わらず,日本での報告が少ないため,産婦人科医の認識不足があると言える.妊娠中は生肉,未殺菌乳を原料とするナチュラルチーズなどを避けるよう妊婦への啓蒙が重要である.周産期母子感染の原因菌としてリステリアを念頭に置く必要があり,抗生剤はセフェム系が無効であるため,培養でグラム陽性桿菌が検出された場合には,アンピシリンの使用を考慮する事が重要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 494-494, 2013


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