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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
広汎な深部静脈血栓症に対し外科的血栓除去を施行した卵巣癌の一例


尾池 妙, 平川 隆史, 山下 宗一, 池田 禎智, 木暮 圭子, 阿部 由佳, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科


 婦人科疾患の周術期合併症として深部静脈血栓症(DVT)は頻度が高く,しばしば致命的な肺血栓塞栓症(PTE)の原因となる.今回我々は子宮筋腫,卵巣癌に内科的治療に不応のDVTを合併し,婦人科手術とともに循環器外科による血栓除去を行った症例を経験したため報告する.症例は39歳未産婦.左下肢の浮腫,疼痛を主訴に近医受診し,CTにて左総腸骨静脈から大腿静脈に至る広汎な血栓を指摘され,当院循環器内科へ搬送となった.同時に多発筋腫,両側卵巣腫瘍を認め,精査目的に当科紹介された.内診では子宮・卵巣は一塊となり小児頭大の腫瘤を形成し,エコーで多房性卵巣腫瘍を認めた.当初は待機的に婦人科手術を行う方針とし,ヘパリン,ワーファリン使用に加えてウロキナーゼ静注によるカテーテル血栓溶解療法を施行したが血栓の改善を認めず,血管圧迫解除を目的とした婦人科手術を行う方針となった.しかし術前にPTEを発症し,緊急で下大静脈フィルターを留置した.腹腔内癒着のため術式は腟上部切断術,両側付属器摘出術とし,循環器外科により血栓除去を行った.術後対側下肢にも新たなDVTを認め,循環器内科においてカテーテルによる血管形成術を施行した.開腹術後35日目にCTで血栓改善を確認し,下大静脈フィルターを留置した状態で退院となった.卵巣腫瘍は類内膜腺癌の診断であり,化学療法を予定している.本症例は血栓性素因を認めなかったが,腫瘍の機械的圧迫による血流鬱滞に加えて長期臥床,肥満(BMI26.3),悪性腫瘍が血栓症の要因として考えられた.周術期リスクは高く,術後も血栓治療に難渋したが他科と連携して救命にあたることが出来た症例であった.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 502-502, 2013


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