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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
顆粒膜細胞腫と鑑別を要した閉経後卵巣癌の2症例


佐藤 愛佳, 小貫 麻美子, 岡崎 有香, 櫻井 学, 中尾 砂理, 越智 寛幸, 水口 剛雄, 松本 光司, 佐藤 豊実, 吉川 裕之
筑波大学産婦人科


 充実性成分の比較的多い卵巣癌でエストロゲン活性を有し,顆粒膜細胞腫との鑑別を有した2症例を呈示し術前に鑑別する方法について考察する.症例1 65歳2経産婦,閉経52歳.閉経後出血を主訴に受診したところ右付属器領域に集簇した小嚢胞を有する長径16.5cmの充実性腫瘍を認めた.腹水や明らかな腹腔内播種はなかった.CA125は146.8 U/ml,エストラジオール(E2)値は92pg/mlと年齢に比して高値であった一方でFSHは34.1mIU/mlと抑制されていなかった.画像所見とE2値より顆粒膜細胞腫と考え腹式単純子宮全摘及び付属器摘出術を施行した.術後6日でのE2は10pg/ml未満へと速やかに低下した.術後病理にて機能性間質を持つ漿液性腺癌であると診断された.症例2 66歳2経産婦,閉経50歳.不正性器出血にて受診したところ左付属器領域に長径10cm大の充実性腫瘍を認めた.CA125は16.4U/mlと上昇を認めず,E2は93pg/ml,FSHは25.7mIU/mlと閉経後としては非典型的なパターンであった.その他画像検索で転移や播種を認めず,腹式単純子宮全摘術及び付属器摘出術を施行した.術後病理にて明細胞腺癌と診断された.その一方,当院で治療を受けた閉経後の顆粒膜細胞腫患者での術前血中E2濃度は様々であったが,その多くでFSHが抑制されていた.顆粒膜細胞腫やセルトリ腫瘍ではインヒビンが過剰分泌されることでFSH分泌が強く抑制されるが,それ以外の腫瘍ではそれほど抑制されていないと予測される.実地診療で血中インヒビンが測定できない本邦において,卵巣癌と顆粒膜細胞腫との鑑別にはFSHが有用である可能性がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 502-502, 2013


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