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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
試験開腹術で診断に至った結核性腹膜炎の一例


角田 英範, 今井 宗, 野池 雅実, 長田 亮介
北信総合病院産婦人科


 結核性腹膜炎は全結核患者の0.04〜0.5%にみられる稀な疾患であり,さらに臨床症状に乏しく診断が困難とされている.今回,試験開腹術で診断に至った結核性腹膜炎の一例を経験したので報告する.症例は42歳,未経妊で,40歳のときに大動脈炎症候群により当院心臓血管外科で大動脈基部置換術を受け,その後抗凝固療法を受けている.X年3月に腹水貯留が指摘され当院消化器内科を受診した.超音波検査,造影CT検査にて大量の腹水貯留と両側卵巣腫瘍が指摘された.腹水細胞診はclass2であった.内科での検索で腹水貯留の原因が特定できず,婦人科へ紹介となった.当科における超音波検査およびMRI検査で著明な腹水の貯留と両側付属器領域に嚢腫状の腫瘤像を認めた.また,ダグラス窩腹膜の肥厚を疑う所見があり,CA125 358U/ml,CA19-9 333.1U/mlと上昇を認めた.以上より,腹水貯留の原因として癌性腹膜炎の可能性も考慮して試験開腹術を行った.腹膜や腸管の表面には播種性の小結節と高度癒着を認め,一見すると癌性腹膜炎を疑う所見であったが,病理診断は結核性腹膜炎であった.その後,抗結核薬4剤(リファンピシン,イソニアジド,ピラジナミド,エタンブトール)併用による化学療法が行われた.大量腹水貯留を認める症例では,結核性腹膜炎も考慮して検索を進める必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 522-522, 2013


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