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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
後腹膜腔に原発・再発し,病理学的に組織型の確定に難渋した不完全分化型卵巣外性索間質性腫瘍の一例


市川 義一1, 日原 華子1, 藤岡 泉1, 根本 泰子1, 服部 政博1, 笠原 正男2
静岡赤十字病院産婦人科1, 静岡赤十字病院病理2


 性索間質性腫瘍の多くは卵巣に発生するが,稀に卵巣外性索間質性腫瘍(Extra ovarian Sex cord-Stromal Tumor以下E-SST)として後腹膜に原発する.卵巣外顆粒膜細胞腫(以下E-GCT)では再発リスクが指摘されているが報告は極めて少ない.我々は後腹膜腫瘍として摘出後,E-GCTと診断され,7年後に再発,再摘出を要した症例を経験した.症例:32歳,0回経妊,0回経産.膀胱前方に手拳大の嚢胞状病変を認める.子宮/付属器は正常であり,後腹膜腫瘍として腫瘍切除術を施行した.腫瘍は被膜に覆われ,境界明瞭.割面は血液を含む泥状,一部白色充実性.Call-Exner body(-),細胞は境界明瞭,多角形,胞体淡明.核は類円形,多形性に乏しく核溝(-),核分裂像は8/10HPF.免疫組織化学にてvimentin陽性,SMA/S-100/NSE/Cytokeratin/hCG-B/AFPは陰性であった.E-GCT,adult typeと診断した.39歳時,膀胱前方に8cm,左骨盤壁に6.5cmの充実性嚢胞性混合腫瘍を認めた.月経周期,子宮内膜,性ホルモン値とも異常所見なし.MRI上,子宮・付属器は正常であり,E-GCTの後腹膜再発を疑い,腹膜外術式にて恥骨後面から腫瘍を剥離,膀胱を一部合併切除した.左骨盤壁の腫瘍は腸腰筋内側に閉鎖神経を巻き込んで存在.神経温存し摘出した.子宮・両側付属器は温存した.組織像は初発時と同様であり再発と診断したが,核分裂像4/40 HPF,Ki-67陰性であり,初発時よりmalignant potentialは低い印象だった.EMA(-), vimentin(+), CD99(+)であるものの,核溝やCall-Exner bodyは認めず,α-inhibin/calretinin/CD56が陰性であり,顆粒膜細胞への分化不十分にて,不完全分化型性索間質性腫瘍と診断した.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 528-528, 2013


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