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【原著】
妊娠20週時の降圧剤内服の有無による高血圧合併妊娠の予後予測法


稲垣 萌美1), 青木 茂1), 望月 昭彦1), 倉澤 健太郎1), 奥田 美加1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 横浜市立大学大学院医学研究科生殖生育病態医学2)


 高血圧合併妊娠は全妊婦の0.5〜5%に認め,加重型妊娠高血圧腎症,常位胎盤早期剝離,子宮内胎児発育不全,新生児死亡などの発症率が高く周産期転帰不良である.今回我々は,高血圧合併妊娠85症例を対象に,妊娠高血圧腎症によりterminationを要した症例と常位胎盤早期剝離を起こした症例を妊娠分娩転帰不良群として,妊娠20週0日の時点での降圧剤内服の有無,初診時の血圧,妊娠16週〜19週の血圧が,高血圧合併妊娠の予後予測因子になるかを検討した.妊娠20週0日の時点での降圧剤内服の有無による比較では,転帰不良例の割合は,20週時降圧剤あり群が16/36例(43%),20週時降圧剤なし群が7/49例(14%)で,20週時降圧剤あり群で有意に妊娠分娩転帰が不良であった(p<0.01).初診時血圧の重症度による転帰不良例の頻度に有意差を認めなかった.妊娠16週〜19週の血圧重症度による転帰不良例の頻度は,正常血圧群13/58例(22%),軽症血圧群7/21例(33%),重症血圧群3/6例(50%)であり,有意差は認めないものの,血圧の重症度が上がるにつれ妊娠分娩転帰不良となる傾向を認めた.妊娠20週での降圧剤あり群/なし群という分類は,簡便であり,本態性高血圧合併妊娠の予後予測に有用である可能性が示唆された.

Key words:hypertension, pregnancy, risk factors, antihypertensive agents, prognosis

関東連合産科婦人科学会誌, 50(4) 559-566, 2013


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