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【症例報告】
手術を契機に発見された回腸子宮内膜症の1例


厚木 右介1), 高橋 佳容子1), 森澤 宏行1), 若佐谷 敦1), 島田 和彦1), 山田 哲夫1), 黒田 一2), 大和田 倫孝1), 佐藤 郁夫1)
国際医療福祉大学病院産婦人科1), 同 病理診断科2)


 子宮内膜症は,子宮内膜様組織が子宮以外の組織や臓器などに異所性に存在し,増生するために生じる病態をいう.好発部位は卵巣,骨盤腹膜であるが,小腸子宮内膜症は稀である.今回われわれは,手術中に偶然に発見された回腸子宮内膜症の1例を経験した.年齢は48歳で,20歳時に卵巣子宮内膜症性囊胞に対する囊胞摘出術の既往があり,46歳より両側子宮卵巣内膜症性囊胞の再発が認められていた.また,元来便秘症が続いており,緩下剤を常時内服していた.下血の自覚はなかった.高度の月経困難症に対しては非ステロイド性抗炎症薬およびエストロゲン・プロゲステロン合剤による保存療法が実施されていたが,囊胞は徐々に増大し,さらに子宮腺筋症の発生も疑われた.コントロール困難な月経困難症,両側卵巣子宮内膜症性囊胞の診断のもとに,子宮全摘出術および両側付属器摘出術を施行した.術中,回腸が周囲の腸管および付属器と高度に癒着し,さらに強度の狭窄が認められたため,回腸切除を追加した.病理結果は卵巣子宮内膜症性囊胞および回腸子宮内膜症であった.腸管子宮内膜症では,腸管を巻き込んだ高度な腹腔内癒着を呈する場合が多く,術中に手術困難となることがある.子宮内膜症の手術症例で便秘,腹痛などの消化器症状を併発している場合には,稀ではあるが,腸管子宮内膜症も考慮して手術に臨むことが勧められる.

Key words:ileal endometriosis, ovarian endometrioid cyst, case report

関東連合産科婦人科学会誌, 50(4) 631-634, 2013


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