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【特集】
腫瘍重量が2,600 g超まで増大するも胎児心不全を来さなかった仙尾部奇形腫の一例


西澤 秀光1), 石川 香織2), 寺尾 美代子1), 森住 佑子1), 品川 光子1), 小松 篤史1), 木 紀美代1), 吉田 志朗1)
長野県立こども病院産婦人科1), 信州大学医学部産科婦人科2)


 背景:胎児期に診断された仙尾部奇形腫症例の周産期予後は主に高拍出状態やそれに伴う胎児水腫の有無に依存する.今回我々は腫瘍重量が2,600 gを超えるものの高拍出性心不全を来さずに妊娠35週で分娩に至った仙尾部奇形腫の1症例を経験したので報告する.症例:36歳,未経妊.妊娠30週より体重増加,羊水過多傾向が見られた.胎児臀部腫瘍が疑われ妊娠30週6日当院に母体搬送となった.初診時EFW 1,775 g, AFI 21.0 cm, AFP 6.45 cm.腫瘍は10×12 cmで充実性の部分と複数の囊胞性部分が混在しており,内部の血流は乏しかった.CTAR 34%,胸腹水などの心不全徴候は認めなかった.その後も腫瘍は増大し妊娠34週には最大径20 cmに達した.羊水過多の増悪とともに切迫早産徴候,母体浮腫,血圧上昇傾向も現れたため,妊娠35週2日選択的帝王切開術を行い腫瘍込みで5,344 gの女児を娩出した.日齢4日で仙尾部腫瘍摘出術を施行し,2,688 gの腫瘍および尾骨を摘出した.病理診断は未熟奇形腫であった.結語:仙尾部奇形腫症例においては胎児循環動態の変動,および子宮内容積の異常な増大などに伴う母体症状の双方を注意深く観察しつつ妊娠管理を行う必要がある.

Key words:sacrococcygeal teratoma, fetal cardiac failure, hydrops

関東連合産科婦人科学会誌, 50(4) 751-756, 2013


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