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【症例報告】
妊娠中期に胆汁鬱滞を起こし保存的加療で分娩に至った先天性胆道閉鎖症合併妊娠の一例


橋 ゆう子1), 兵藤 博信2), 入山 高行1), 永松 健1), 矢部 慎一郎1), 堀越 嗣博1), 山下 隆博1), 亀井 良政3), 藤井 知行1), 上妻 志郎1)
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科1), 聖路加国際病院女性総合診療部2), 埼玉医科大学病院産婦人科3)


 先天性胆道閉鎖症の予後は,胆汁排泄の状況,肝の変化などによりさまざまである.葛西手術の普及から30年以上経過し,術後成人に達する例も増えているが,それに応じて妊娠症例の報告が増えてきている.妊娠中の合併症については,知見が集積されつつあるところである.今回の症例は,先天性胆道閉鎖症に対し生下時に葛西手術を受け,以後定期的に管理され良好に経過していた23歳の初産婦である.妊娠22週に,胆管の代用となっている空腸が,吻合部付近で増大した子宮に圧迫され胆汁鬱滞および炎症を起こした.妊娠延長を図ることができ,かつ,侵襲の少ない方法として,経鼻ドレナージを選択した.ドレナージは有効で速やかに軽快し,保存的に管理することができた.約1か月半後に,ドレナージを抜去したが再燃することなく,正期産まで無事に経過した.分娩後に,肝機能低下,胆汁鬱滞は見られなかった.先天性胆道閉鎖症合併妊娠は,胆管炎,胆汁鬱滞,側副血行路の増大・破裂など,注意点は多岐にわたり,その対応については個別に創意工夫されているのが現状である.今後,症例が蓄積され,より実用的な管理が期待される.

Key words:Congenital biliary atresia, Kasai procedure, pregnancy, cholestasis, endoscopic nasobiliary drainage

関東連合産科婦人科学会誌, 51(1) 99-105, 2014


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