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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション1】
処女膜閉鎖症術後に卵管留膿症をきたした思春期女児の1例


金 善惠, 鈴木 毅, 大河内 緑, 土屋 佳子, 友坂 真理子, 宮内 安澄, 樋口 隆幸, 村越 行高, 上野 和典, 染谷 健一, 岩田 壮吉, 林 保良
川崎市立川崎病院産婦人科


 思春期女児の急性腹症では急性虫垂炎や卵巣嚢腫茎捻転の頻度が高いが,稀に処女膜閉鎖症や子宮奇形が原因となる.今回我々は腹痛の出現から1年後に処女膜閉鎖症と診断され,処女膜切開術後に卵管留膿症をきたした症例を経験したので報告する.症例は13歳,月経未発来.1年前より腰痛,腹痛を認め近医小児科および整形外科で鎮痛剤を投与されていた.今回尿閉のため当院救急外来を受診し導尿され,翌日近医泌尿器科を受診した.処女膜閉鎖症の疑いで当院婦人科紹介受診となった.経腹超音波検査にて骨盤内に10cm大の嚢胞性腫瘤を認め,MRI検査では腟腔の著明な拡張を認めた.外陰部視診では処女膜は膨隆し腟口は閉鎖した状態で処女膜閉鎖症と診断された.処女膜切開術を施行し術後3日目に経過良好で退院となった.術後の再狭窄は見られなかった.術後6日目に腹痛と発熱,反跳痛を認め,CTにて右卵管留膿症が疑われ再入院となった.抗生剤を投与したが保存的治療に反応せず,腹腔鏡下右卵管切除術を施行した.横隔膜および膀胱子宮窩腹膜に内膜症性病変を認め,ReASRM分類1点であった.症状改善し術後4日目に退院となった.処女膜閉鎖症は稀な疾患で典型的には思春期以降に発症し月経ごとに周期的な下腹部痛いわゆる月経モリミナを呈する.本症例では処女膜切開術施行時の排液培養より嫌気性菌が検出され,月経モリミナの発症から処女膜閉鎖症の診断まで1年という長期間がかかっており,手術操作を契機として上行性感染を生じたと考えられる.思春期の症例では視診および内診が困難であることも多いが,思春期症例の腰痛および下腹部痛においては本疾患の可能性を考慮し,適切な診察が必要であると考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 239-239, 2014


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