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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション1】
肺塞栓症および深部静脈血栓症を合併した成人型顆粒膜細胞腫の1例


高橋 伸子, 長野 浩明, 土屋 七恵, 川上 恵, 上野 麻理子, 河原 且実, 森田 吉洋, 村岡 光恵, 高木 耕一郎
東京女子医科大学東医療センター産婦人科


 顆粒膜細胞腫はエストラジオール等のホルモンを産生する症例が多くみられ,婦人科腫瘍の中でも血栓症のリスクが高い疾患と考えられる.今回我々は術前に肺塞栓症および深部静脈血栓症を合併した顆粒膜細胞腫の一例を経験したので報告する.【症例】77歳,3G2P,BMI 25.0 kg/m2【既往歴】30歳時,子宮筋腫にて子宮腟上部切断術.【現病歴】数か月前から全身倦怠感と腹囲の増加を自覚し,1か月前頃から四肢浮腫と腹部膨満感が増悪したため近医受診.胸腹水とCT検査にて20cm大の充実性腫瘍,CA125が399 U/mlと高値のため,精査加療目的に当科紹介・入院.入院時,呼吸苦と下肢痛に加え,腹囲101cm,体重62kgで両下肢と外陰の浮腫を認めた.SpO2は93%,Dダイマーは35.16μg/mlと上昇,造影CTにて両肺末梢側の肺動脈血栓と左腎静脈,左膝窩静脈,右下腿の一部静脈に血栓を認めた.ヘパリン持続静注にて速やかなD-ダイマーの低下を認め,画像所見と血清estradiol 594 pg/ml,総inhibin 9042 pg/mlより顆粒膜細胞腫を疑い,両側付属器切除術および大網切除術を施行した.病理診断は左卵巣の成人型顆粒膜細胞腫,転移や播種は認めなかった.術後はワーファリン投与を行い,3か月後にはほとんどの血栓が縮小・消失した.本症例では顆粒膜細胞腫による術前の著明な高エストロゲン血症が広範な血栓症を発症させた可能性が考えられた.高エストロゲン状態を惹起する卵巣ホルモン産生腫瘍では血栓症の併発に留意し,周術期の抗凝固療法が重要と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 239-239, 2014


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