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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション1】
巨大子宮筋腫に合併した門脈血栓により肝不全死した1例


小田 紘子, 高村 将司, 平田 哲也, 原田 美由紀, 甲賀 かをり, 大須賀 穣, 藤井 知行
東京大学産婦人科


【緒言】子宮筋腫に合併しうる疾患の一つとして血栓症が知られている.今回我々は巨大な子宮筋腫に広範な門脈血栓症を合併し,肝不全死した1例を経験したので報告する.【症例】49歳女性 0経妊0経産.13年前,他院にて巨大子宮筋腫に対し開腹筋腫核出術施行され,病理検査で子宮平滑筋腫の診断であった.以後医療機関受診せず,5年前より腹部膨満感が再出現し,徐々に増悪していた.受診1か月前より食欲低下出現し,尿量減少,便秘の症状も著明となった.黒色嘔吐を認めたため,当院救急外来受診となった.来院時は意識清明,バイタルサインは安定.腹部は著明に膨隆し,造影CTにて腹部に充満する39×26×22cm大の子宮筋腫を認めた.また門脈・脾静脈・上腸間膜静脈に及ぶ広範な血栓閉塞と腸間膜静脈閉塞による腸管鬱血所見が存在した.血液検査では,Dダイマー93.1μg/mLの他,Hct 59.2%と異常高値を認めた.全身状態から,肺塞栓,不整脈,心不全,術後出血などによる周術期死亡のリスクが高く,保存的加療の方針とした.第1病日より抗血栓療法(ヘパリン1万単位/日)を開始したが,第2病日には門脈血栓による急性肝不全,高アンモニア血症(NH3 504μg/dL)が出現し,意識レベルの低下(Japan Coma Scale:300)を認めた.気管挿管を施行したが,呼吸・循環動態は悪化し,意識レベルの改善も認めなかった.第3病日に急性腎不全,ARDSが出現し,第4病日に死亡確認となった.剖検は希望されなかった.【結語】巨大子宮筋腫の症例では,稀な部位にも血栓を形成し致命的となる場合があることが示された.血栓・塞栓症の早期発見を含め,全身状態に基づいた治療方針を立てることが必要と考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 240-240, 2014


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