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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション3】
卵巣癌根治術後に右腎梗塞を認めた1例


町田 ゆり, 楠木 総司, 高橋 雅也, 長井 咲樹, 木村 美葵, 金田 容秀, 寺尾 泰久, 竹田 省
順天堂大学産婦人科


【緒言】腎梗塞は比較的まれな疾患で,側腹部痛や腎機能障害で発見されることが多い.今回,卵巣癌術後に炎症反応高値が持続し造影CTを施行したところ,右腎梗塞と診断し治療をおこなった症例を経験したので報告する【症例】52歳,0経妊0経産.1年前より腹部膨満感を自覚していたが放置していた.2か月前より軽度の呼吸苦が出現,不正出血も認めたため近医産婦人科を受診したところ,巨大卵巣腫瘍と大量腹水の貯留を認めた.また,D-Dimer 97.8μg/mlと異常高値あり,緊急造影CTにて右下肢の深部静脈血栓を認めたため,加療目的に当院緊急入院となった.入院後よりヘパリン療法を開始し,下肢の血栓の消失を確認後,卵巣癌根治術を施行した.術前より発熱が持続し,血液培養でMSSA菌血症を認め,術前に心臓超音波で感染性心内膜炎がないことを確認し抗菌薬投与をおこなっていた.しかし,術後より採血上炎症反応高値(WBC32.4×10^9/L,CRP22.5mg/dl)を認め,術後3日目に造影CTを施行したところ,右腎動脈内に血栓と思われる低吸収な描出を認め,上極を除いて造影効果が見られないことから,右腎梗塞と診断した.原因精査を行ったが感染性心内膜炎による疣贅形成や中隔欠損,心房細動は認めず,血栓性素因も否定的であった.泌尿器科・循環器内科と相談の上,ヘパリンによる抗凝固療法を継続し,ワーファリン内服に変更後,術後31日目に退院となった.【結語】本症例では腎梗塞でみられる疼痛などの症状はみられず,大きな腎機能障害もみられなかったため,診断に至るまでに数日を要した.しかし腎梗塞による腎機能障害は不可逆的であり,早期の適切な診断と治療が必要と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 248-248, 2014


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