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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション4】
妊娠29週に急激な頭痛を伴う心不全から発症した,副腎皮質腺腫によるカテコラミン心筋症の1例


飯場 萌絵, 八木 洋也, 小倉 剛, 渡辺 麻紀子, 西田 恵子, 人見 義郎, 大原 玲奈, 永井 優子, 安部 加奈子, 小畠 真奈, 濱田 洋実, 吉川 裕之
筑波大学産婦人科


【緒言】副腎皮質腺腫の多くは非機能性で無症状である.しかしごく稀に臨床的に褐色細胞腫と似た症状を呈することがあり,現在まで14例の報告があるが,妊娠中の報告はない.今回我々は,妊娠中に心不全を発症し臨床的には褐色細胞腫が疑われたものの,画像検査で副腎皮質腺腫と最終診断された一例を経験した.【症例】35歳,3経妊1経産.妊娠29週5日に突然の頭痛が出現し嘔吐,咳嗽発作も出現したため前医を受診した.頭部MRIで所見を認めないものの症状が持続するため,当院へ救急搬送された.入院後,重症心不全と肺水腫による呼吸不全,38℃の発熱を認め,ドブタミン,抗菌薬,酸素投与を開始した.症状は徐々に改善したが,妊娠30週3日に歩行開始後,急激な頭痛と収縮期血圧190 mmHgの発作が出現し,妊娠31週2日にも血圧40〜220 mmHgまでの乱高下を伴う発作を認めた.CTにて左副腎腫瘤を認め,尿中アドレナリン及び尿中メタネフリン高値を認めたため,褐色細胞腫によるカテコラミン心筋症が疑われた.インフォームドコンセントを得て131I-MIBGを施行したが腫瘍への集積は認めず診断は得られなかった.関係する各科と十分に協議の上,循環血漿量増加のためα遮断薬を開始し,児の成熟を待って妊娠35週での全身麻酔下手術分娩の方針となった.その後ベッド上安静にて発作は起こらず,妊娠35週6日に予定帝王切開を施行した.術後経過は良好で術後16日に退院し外来管理となった.術後の造影CT,MRIで,副腎皮質腺腫と最終診断された.【結語】診断及び管理に苦慮したカテコラミン心筋症を発症した妊婦の一例を経験した.非常に稀な疾患であり各科と連携し多角的に方針を検討することが重要であった.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 252-252, 2014


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