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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション5】
起因菌の特定に苦渋した,M.hominisが原因と考えられる帝王切開後腹直筋膿瘍の1例


上野 啓子, 永光 雄造, 清水 基弘, 藤村 正樹
東京医科大学茨城医療センター産婦人科


 Mycoplasma hominis(M. hominis)は,グラム陰性多形性極小型細菌の一属であるが,出産適齢期の健康女性の生殖器にも高率に集落を形成し,細菌性腟炎の原因となるのみならず,絨毛膜羊膜炎・産褥感染症・骨盤内感染症の原因にも成り得るとされている.今回我々は,起因菌の特定,感染巣の断定に苦渋した,M.hominisが原因と考えられる帝王切開後腹直筋膿瘍の1例を経験したので報告する.症例は31歳,0経妊0経産,妊娠40週5日に計画分娩目的に入院.翌日オキシトシンにて誘発開始.その後破水.破水後2日を経過し,オキシトシン誘発にて分娩進行せず,子宮内感染および羊水混濁を認めたため緊急帝王切開術を施行.術後2日目より38度台の発熱,腹痛を認め腸閉塞の診断.保存的治療と共にメロペネムの投与を開始したが,いずれの状況にも改善は認められず.術後6日目の造影CTにて腹直筋内に膿瘍形成を認めた.MRSAによる手術部位感染(SSI)を疑いバンコマイシンの追加投与を開始.血液培養にても細菌の検出無く,術後8日目に開腹膿瘍ドレナージ術を施行した.術後,血液培養・膣培養からはM. hominisが検出されたため,抗生剤をレボフロキサシンに変更し,経過良好にて術後17日目に退院となった.Mycoplasma感染症は,各種培養での迅速な診断は困難である.本症例では術前にM. hominis感染に対して有効な抗生剤が投与されていなかったため,術後の発熱が持続したと考えられる.帝王切開後のSSIにおいてM. hominis感染を念頭におく必要があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 256-256, 2014


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