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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション5】
塩酸リトドリン使用中に著明な好中球減少を来した1症例


古賀 絵理, 尾崎 優美, 堀田 裕一朗, 谷口 華子, 山本 ゆり子, 高見 美緒, 伊藤 朋子, 岩田 亜貴子, 茶木 修, 中山 昌樹
横浜労災病院産婦人科


【緒言】塩酸リトドリンは切迫早産に対する子宮収縮抑制剤として広く用いられている.頻脈,動悸,顔面紅潮などの副作用が比較的高頻度にみられるが,まれにみられる重大な副作用として,肺水腫,顆粒球減少症,横紋筋融解症などが報告されている.今回われわれは塩酸リトドリン使用中に著明な好中球減少を来し,G-CSF投与で管理し得た1症例を経験したので報告する.【症例】患者は16歳,0回経妊0回経産,既往歴に特記事項なし.妊娠初期から妊婦健診受診し,妊娠25週に子宮収縮の自覚と頸管長短縮を認め塩酸リトドリンの内服を開始した.妊娠27週に5分間隔の子宮収縮と水様帯下があり,切迫早産と前期破水の診断で当院へ母体搬送となった.入院後塩酸リトドリン点滴による子宮収縮抑制の継続と予防的抗菌薬点滴を開始した.妊娠27週5日IGFBP-1陰性となり,抗菌薬の点滴を終了した.妊娠32週2日,採血上白血球1,600/μL,好中球16/μLと著明な好中球減少を認め,塩酸リトドリンを漸減して母体にG-CSFを投与した.妊娠32週4日には白血球3,800/μL,好中球190/μLと徐々に改善傾向であったが,妊娠32週5日に前期破水し,妊娠33週0日には白血球10,600/μL(好中球5,724/μL),体温37℃台と母体感染兆候が出現したため同日分娩誘発をおこない吸引分娩で児を娩出した.出産後好中球の低下を認めず,経過良好につき産褥5日目に退院となった.【結語】塩酸リトドリン点滴による好中球減少は比較的まれで重大な副作用であるが,早期に発見し適切な治療をおこなうことで妊娠を継続できる可能性がある.塩酸リトドリン使用中は種々の副作用を念頭に置き,少なくとも週に1回採血検査をおこなうことが望ましい.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 258-258, 2014


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