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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション6】
血流遮断とメソトレキセート(MTX)の胎嚢内局注の併用療法にて保存的に管理し得た瘢痕部妊娠,頸管妊娠の3例


上野 麻理子, 森田 吉洋, 土屋 七恵, 川上 恵, 河原 且実, 高橋 伸子, 村岡 光恵, 長野 浩明, 高木 耕一郎
東京女子医科大学東医療センター産婦人科


【目的】異所性妊娠に対するメソトレキセート(MTX)療法は保存的治療の幅を広げる治療法として普及しているが,瘢痕部妊娠や頸管妊娠に対する保存的治療法は確立されていない.我々は血流遮断と胎嚢内へのMTX局注の併用療法にて保存的に管理し得た瘢痕部妊娠2例と頸管妊娠1例を経験したので報告する.【症例】症例1:31歳,3G3P(正常分娩1回,帝王切開2回).瘢痕部妊娠と診断.止血目的に子宮動脈塞栓術(UAE)を施行,翌日,MTX 75 mgの全身投与を行うもhCG下降なく,第16病日にMTX 50 mgを経腟超音波ガイド下に胎嚢内へ局注.第65病日にhCGの陰性化を確認.症例2:36歳,3G2P(帝王切開2回).瘢痕部妊娠と診断.UAE施行後,翌日,MTX 50 mgを胎嚢内へ局注.第60病日にhCGの陰性化を確認.症例3:40歳,0G0P.頸管妊娠と診断.第1,第8病日にMTX 90 mgの全身投与を行ったが,hCGの低下が緩慢であり,第15病日,腟式に3時,9時方向の子宮頸部頭側端に合成吸収糸による結紮を行い,子宮頸部への血流遮断を図った後にMTX 50 mgを胎嚢内に局注.第93病日にhCGの陰性化を確認.【考察】既報の文献から,瘢痕部妊娠や頸管妊娠ではMTXの全身投与は十分な効果が期待出来るとは言い難いが,UAEなどの血流遮断後に胎嚢へのMTX局注を行うことは,出血の軽減に加えてMTXの局所濃度が全身投与より高まっている可能性があり,有効性が期待出来る.【結論】瘢痕部妊娠や頸管妊娠などの異所性妊娠の保存的治療法として,血流遮断とMTX局注の併用が有効である可能性が示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 263-263, 2014


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