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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
妊娠後期に動悸・息切れから判明した大動脈二尖弁・高度大動脈弁縮窄症の1例


和泉 紀子1, 兵藤 博信2, 小野 陽子1, 岩瀬 純1, 矢野 阿壽加1, 秋山 瑞紀1, 原田 寛子1, 小野 健太郎1, 大垣 洋子1, 秋谷 文1, 山中 美智子1, 百枝 幹雄1
聖路加国際病院産婦人科1, 墨東病院産婦人科2


【緒言】大動脈二尖弁(BAV)は先天性疾患で,合併病変として,大動脈弁狭窄(AS)・閉鎖不全,感染性心内膜炎,大動脈拡張・解離を来す疾患である.妊娠により体循環抵抗が下がり,高拍出性心不全につながるリスクがある.今回第2子妊娠後期まで指摘されず,動悸・息切れを主訴に診断に至り,集学的に管理した一例を報告する.【症例】36歳,1経妊1経産(分娩停止のため帝王切開).心疾患はこれまで指摘されていない.前回妊娠経過は順調であった.今回は自然妊娠.妊娠中期より動悸・息切れが出現し,36週の健診時母体頻脈105回/分を認めた.精査したところBAV・ASと判明し,分娩時の周術期管理を要するとし当院へ紹介された.妊娠36週3日当院受診.心不全徴候なし.心エコーで,大動脈弁最大血流速度4.3 m/秒,大動脈弁圧較差75mmHg,開口部1.3 mm2と重度のASと確認された.大動脈径は40 mmで,MRIで遠位の拡張がないことを確認した.直ちに,循環器科,麻酔科などとの合同カンファレンスを行い周術期管理を確認し,来院翌日には帝王切開を施行した.脊椎・硬膜外麻酔とし,非観血的・観血圧的血圧,中心静脈圧,経皮的酸素飽和度を測定した.手術中は脈拍90回/分,血圧100/70前後で推移し無事に手術を終了した.術後,脈拍数は徐々に減少し心不全徴候もなく順調に経過し,7日目に退院した.【結論】BAVは妊娠に伴い症状が顕在化することも少なくないが,心不全を来しうる疾患である.動悸・息切れなど,妊娠中に一般にも見られる症状から始まることも多いが,症状が強い場合,BAVも念頭に置き鑑別することが重要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 275-275, 2014


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