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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
前置癒着胎盤に対して二期的手術を施行した1例


中西 美紗緒, 寺尾 美代子, 諸宇 ヒブン, 郷田 朋子, 大西 賢人, 張 士青, 桝谷 法生, 高本 真弥, 大石 元, 定月 みゆき, 山澤 功二, 矢野 哲
国立国際医療研究センター産婦人科


 前置癒着胎盤の周産期管理は,大量出血の軽減と安全で円滑な手術の遂行を目的に,他科と連携し綿密な計画と準備が必要である.今回,前置癒着胎盤に対し底部横切開法による帝王切開術後に,二期的に腹式単純子宮全摘出術を施行した一例を経験した.症例は41歳,3経妊2経産(帝王切開1回,子宮内容除去術2回).自然妊娠後,妊娠19週に前壁を覆う全前置胎盤を認めた.妊娠32週より管理入院し,自己血貯血および輸血製剤を確保し,術前に尿管カテーテルを留置した.妊娠35週1日,内腸骨動脈バルーン閉塞を併用し,底部横切開法による選択的帝王切開術を施行した.児は3077g(HFD),Apgar score 4/6点.出血量は1711mlで自己血700mlを返血した.胎盤剥離徴候はなく胎盤を子宮内に残したまま閉創し,術直後に子宮動脈塞栓術(UAE)を施行した.術後,性器出血や感染徴候はなく1か月後に再度UAEを施行し,内腸骨動脈バルーン閉塞併用下に腹式単純子宮全摘出術を施行した.出血量は4651ml,RCC16単位,FFP10単位を輸血した.病理組織検査で穿通胎盤と診断し,傍子宮結合織に絨毛を疑う組織の浸潤を認めた.本例は,産褥1か月後も子宮底を臍上に触知し胎盤容積の変化はなく,子宮頸部を主体に豊富な胎盤血流を認めた.開腹所見では術後癒着が強く,子宮下部はだるま状で骨盤内を占拠し子宮傍結合織はほぼ確認できず,膀胱剥離をはじめとする手術操作による大量出血はUAEおよび内腸骨動脈バルーン閉塞によってもコントロール困難であった.本例は一期的手術による大量出血に伴うリスクが非常に高く二期的手術は有用であったと考えられるが,二期的手術までの期間及び方法についてさらに検討する必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 280-280, 2014


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