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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
異なる妊娠経過を辿った胎児母体間輸血症候群の2例


結城 瑠美, 福武 麻里絵, 春日 義史, 松本 直, 正木 繭, 池ノ上 学, 落合 大吾, 峰岸 一宏, 宮越 敬, 吉村 𣳾典, 青木 大輔
慶應義塾大学医学部産婦人科


【緒言】胎児母体間輸血症候群(Feto-Maternal Transfusion:FMT)は,絨毛間腔の破綻により胎児血が母体血に流入することによって引き起こされる病態の総称であり,胎児貧血による胎児水腫を来たす予後不良の疾患である.今回我々は,異なる妊娠経過を辿ったFMTの2例を経験したので報告する.【症例1】妊娠36週4日に胎動減少の自覚と胎児水腫・心拍異常にて当院搬送となった.胎児超音波検査で胎児水腫と共に中大脳動脈収縮期最高血流速度(MCA-PSV)の上昇や心胸郭比の拡大を認めた.胎児心拍モニタリング上,前医ではsinusoidal patternを,来院時には基線細変動の減少を認め,FMTならびに胎児機能不全の診断で分娩とした.児は2494gの女児,全身蒼白で著明な浮腫を認め,Hb 3.0g/dlであった.なお,母体血中HbF 7.7%(正常値1.1%以下),AFP 3953ng/mlであり,FMTと診断された.【症例2】妊娠33週1日に胎児発育不全(FGR)のために当院搬送となった.胎児超音波検査上,羊水過少を伴うFGRであったがMCA-PSVの上昇や胎児心不全徴候は認めず,FMTを予測し得なかった.胎児心拍モニタリング上で基線細変動の減少を認め,胎児機能不全の診断で分娩とした.児は1107gの女児,全身蒼白でHb 6.9g/dlであった.母体血中HbF 1.7%,AFP 1728ng/mlでありFMTと診断された.【結語】典型的な経過を辿ったFMT症例ならびにFGRを合併したFMT症例を経験した.正常発育胎児においてはMCA-PSVが胎児貧血の診断に有用であるが,FGR症例ではMCA-PSV値より胎児貧血を予測するのは困難であるとされる.また,症例2では血流異常を認めなかった理由として緩徐な慢性出血のため代償機構が作用した可能性も考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 284-284, 2014


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