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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
卵子提供により双胎妊娠後重症PIHを発症した1例


郷田 朋子, 大石 元, 諸宇 ヒブン, 寺尾 美代子, 大西 賢人, 張 士青, 中西 美紗緒, 桝谷 法生, 高本 真弥, 定月 みゆき, 山澤 功二, 矢野 哲
国立国際医療研究センター病院産婦人科


【緒言】晩婚化と高齢不妊症患者の増加に伴い,本邦では認められていないが,海外で卵子提供を受けた妊婦が増加している.しかし,その産科的リスクや合併症についての認識が乏しいのが現状である.今回我々は海外にて卵子提供を受け双胎妊娠後,重症PIHおよび弛緩出血を発症した一例を経験した.【症例】44歳未経妊.38歳より不妊治療開始し8周期の生殖補助医療による治療を施行したが妊娠に至らず,米国で卵子提供を受け,IVF-ET後にDD双胎妊娠成立した.妊娠30週で頻回の子宮収縮と頸管長短縮を認め,切迫早産の診断で入院となった.妊娠32週で血圧上昇および蛋白尿を認め,重症PIHと診断し降圧治療を開始したところ妊娠33週に肺水腫に至り,緊急帝王切開術を施行した.一児は男児,体重1707g,Apgar score7/9,臍帯動脈血pH7.268,二児は男児,体重1974g,Apgar score7/9,臍帯動脈血pH7.267でともにNICU管理となった.術直後,子宮収縮不良で大量出血となったが,子宮収縮促進剤の投与と輸血を施行し,全身状態は安定した.その後経過は順調で術後11日目に退院となった.【考察】卵子提供後の妊娠においては免疫応答異常や胎盤形成異常などによりPIH発症のリスクが高いといわれている.今回の症例も年齢や双胎による可能性は否定できないが,卵子提供後に重症PIH・弛緩出血を発症している.本邦では卵子提供後妊娠における合併症はまだ十分に知られていないが,晩婚化に伴い卵子提供後妊娠が増加することが予想されるため,今後さらなる調査を行う必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 284-284, 2014


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