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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
当院で経験した子宮内膜症性嚢胞感染17例に対する経腟超音波ガイド下膿瘍穿刺吸引術による有用性の検討


新城 梓1, 地主 誠1, 北出 真理1, 菊地 盤2, 熊切 順1, 黒田 恵司1, 板倉 敦夫1, 竹田 省1
順天堂大学産婦人科1, 順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター産婦人科2


【目的】子宮内膜症性嚢胞の経過観察中に逆行性感染を来すことはそれほど多くないが,いったん感染を起こすと侵襲性の高い手術療法を要する事が多く,治療が遅れると敗血症など重篤な状態となる.一方で生殖年齢に好発するため,治療には妊孕能の温存や侵襲性を念頭におく必要もある.この事から治療方針に苦慮することも多く,当院では早期に膿瘍ドレナージ術を行い,有用性を検討した.【方法】2008年6月から2013年12月までに子宮内膜症性嚢胞の経過観察中,入院加療が必要な感染をきたした23症例中,ドレナージ術を行った17例を対象とした.入院時に採血と血液・腟分泌物培養,超音波もしくは造影CTによる全身検索を行い,広域の多剤併用抗生剤の点滴投与行った.症状の改善がみられなければ早期に経腟超音波ガイド下に膿瘍を穿刺・排膿し,膿瘍の培養も行った.それでも改善しない場合は手術療法となった.【結果】平均年齢は36.9±6.6歳,入院時嚢胞径は約67.6±16.0mm,WBC14400±4400/ul,CRP18.3±10.7mg/dlと高度炎症所見を認めた.入院から穿刺排膿術までの日数は2.0±3.0日,13例(76%)が抗生剤と膿瘍穿刺で改善した.膿瘍の培養では10例で陽性となり,streptococcus spが最も多かった.また,4例は症状の改善を認めず,手術療法施行となった.そのうち1例は付属器切除術施行となったが,4例は嚢腫摘出術またはドレナージのみで軽快した.平均在院日数は15.0±18.0日であった.【結論】治療に抵抗性となり手術療法となった症例も存在したが,多くの症例で抗生剤と膿瘍ドレナージ術により軽快しており,より低侵襲で妊孕能温存を目的とした有用な治療であることが示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 298-298, 2014


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