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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
Clostridium. Perfringens敗血症をきたした卵巣癌肉腫の1例


山本 範子, 永石 匡司, 前林 亜紀, 宮川 康司, 山本 樹生
駿河台日本大学病院産婦人科


【緒言】Clostridium. Perfringens(ウエルシュ菌)は女性生殖器,腸管等に常在する弱毒菌である.敗血症に至る例はまれであるが,ひとたび発症した場合,急激な経過をたどり死亡率は高い.今回我々は,卵巣癌肉腫の腹腔内再発に対して,化学療法施行中に敗血症をきたした症例を経験したので報告する.【症例】78歳,女性.下腹部膨満を主訴に初診.画像検査で,骨盤内に成人頭大の不整形な充実性の腫瘤と腹水貯留を認めた.急激に腹水量が増加したため腫瘍減量手術(両側付属器切除術)を施行した.術後診断は卵巣癌肉腫IIIC期(T3c,Nx,Mo)であった.術後TC(PTX,CBDCA)療法を施行後に2次的腫瘍減量手術を施行し,手術はoptimal surgeryであった.術後にGD(GEM,DOC)療法を施行し,8コース終了時にPRとなった.その2か月後に直腸腹側に約9cm大の骨盤内腫瘍を認めた.PLD+CBDCA療法5コース施行したが腫瘍径の増大と直腸壁への浸潤,肝転移を認めた.PLD+CBDCA投与22日目の夜間より41度の発熱と下腹部痛を認め,翌日10時に救急車で来院.この時JCSスコア2点,便失禁を認めた.血液所見では前日と比べて急激なHbの低下(6.2g/dl)と強度の溶血,CRPの上昇(22.48 mg/dl)を認め敗血症と診断した.血液培養ボトルでガス産生を認めたため,血液グラム染色を施行しグラム陽性桿菌を認めた.これよりウエルシュ菌感染を疑ったが,急激に全身状態が悪化し来院後7時間で死に至った.【結語】急激な転帰をとる敗血症症例では,ウエルシュ菌感染が原因となるものがある.血液検査で強度の溶血を認めた場合には,早急にグラム染色を施行し診断を行うことが重要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 309-309, 2014


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