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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
肺塞栓症に対する抗凝固療法中に大動脈血栓症を伴うヘパリン誘発性血小板減少症を発症した卵巣癌の1例


松崎 結花里, 宮腰 藍衣, 廣岡 潤子, 古野 敦子, 北川 雅一, 片山 佳代, 吉田 浩
横浜市立大附属市民総合医療センター婦人科


【緒言】癌患者は血栓症の合併が多いことが知られており,血栓症に対する抗凝固療法としてヘパリンが汎用されている.今回卵巣癌患者において下肢静脈血栓症及び肺塞栓症に対するヘパリンでの抗凝固療法中にヘパリン誘発性血小板減少症(Heparin-induced Thrombocytopenia:以下HIT)を来たし大動脈血栓が形成された一例を経験したのでこれを報告する.【症例】72歳2回経妊2回経産,腹水貯留及び卵巣腫大を指摘され,卵巣悪性腫瘍及び腹膜播種の診断で手術の方針となった.末梢型深部静脈血栓症及び多発肺塞栓症を認めヘパリン持続静注を開始し,12日後の手術当日に中止した.手術は開腹生検に終わり,術中出血は少量で,術後採血で血小板値145000/μLであった.術後2日目にヘパリンを再開したところ,翌日の血小板値23000/μLと著明に低下を認めたためHITを疑いヘパリンを中止した.造影CT上,胸部大動脈から両側総腸骨動脈に至る血栓を認め,アルガトロバン持続静注による抗凝固療法を開始した.HIT抗体陽性であり,HIT typeIIの診断となった.経過中に下肢や腸間膜の壊死などの新たな塞栓症状は認めず,全身状態は改善したが,CT上,動脈血栓の減少は認めなかった.アルガトロバン療法開始44日目でワーファリン内服へ移行した.現在外来にて経過観察中であるが,今後卵巣癌の治療方針に関しても検討予定である.【結語】ヘパリンは汎用されている薬剤であるが,本邦では心血管領域以外でのHITの認知度は高いとは言えない.しかしながら致死的になりうる病態であり,へパリン使用時にはHITの可能性を念頭に置く必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 310-310, 2014


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