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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【教育プログラム3】
新生児科からみた低酸素性虚血性脳症の要因と予後


中村 友彦
長野県立こども病院新生児科


 名古屋大学の佐藤らは,臍帯血ガス,アプガースコアが悪くないのに,出生後に神経学的異常所見を示し,MRIでAcute total asphyxiaに合致する脳幹部,基底核・視床,中心溝付近に異常所見を示す症例があることを報告している(Sato Y, et al. Delayed neurological signs following isolated parasagittal injury in asphyxia at term. Eur J Ped Nuerol. 2008;12:359-65).我々も何例か同様な症例を経験し,かつ私が委員を務める産科医療補償制度原因分析委員会でも同様な症例に遭遇する.  長野県の出生数は現在17,000人前後で,新生児仮死で出生し脳低温療法が必要な新生児は全例当院に入院となる.長野県で脳低温療法を必要とする症例は,この3年間では出生数1万人に約3.5人であり,本邦における在胎37週以上の中等度〜重度HIE症例の発症頻度とほぼ同じである(Hayakawa M, Nakamura T et al. Incidence and prediction of outcome in hypoxic-ischemic encephalopathy in Japan. Pediatr Int. 2014;56:215-21).過去10年間に,長野県立こども病院で,新生児仮死による低酸素性虚血性脳症に対して低体温療法を施行した症例で退院時に神経学的重度予後不良(経管栄養,気管切開,人工呼吸のいずれかが必要)な児のMRI所見を後方視的に検討すると,従来最も多く見られていたProlonged partial asphyxiaによる皮質・白質病変の所見を示す症例が少なくなり,佐藤らが報告したAcute total asphyxiaによる基底核病変の所見を示す症例が増加している.以上の自験例を中心に,周産期シンポジウム委員会がおこなった新生児仮死に関する全国アンケートも含めて「新生児科からみた低酸素性虚血性脳症の要因と予後」について報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 362-362, 2014


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