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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション7】
腹水濾過濃縮再静注法を行った卵巣悪性腫瘍患者6例の検討


中村 祐子, 安藤 紀子, 清水 麻衣子, 関口 太, 永井 康一, 松崎 結花里, 石寺 由美, 大井 由佳, 片山 佳代, 茂田 博行
横浜市立市民病院産婦人科


【緒言】卵巣悪性腫瘍患者における難治性腹水は,腹部膨満感,倦怠感,食思不振などの症状を伴い,著しくQOLを低下させる.難治性腹水に対して腹水穿刺を施行することは,症状緩和目的としては有効であるが,効果は一時的であり,アルブミンの損失により栄養状態をさらに悪化させる.穿刺した腹水を濾過,濃縮,再静注することでアルブミンを回収でき,QOL改善が期待される.今回,我々は腹水貯留を伴う卵巣悪性腫瘍患者に対し,腹水濾過濃縮再静注法(以下CART)を施行したので,CART施行間隔,1回排液量,有害事象などに関して後方視的に検討した.【対象】2009年7月から2014年5月までの5年間にCARTを施行した6例(卵巣癌Ic期IV期5例,転移性卵巣癌1例)を対象とした.年齢62.7±12.6歳,PS2〜3,いずれも終末期患者であった.【結果】患者一人あたりのCART施行回数は9±6回であった.1回排液量は3006.9±722.3g,濃縮再静注量は351.3±168gであった.いずれの症例でも,CART施行後に苦痛症状は改善し,CARTを繰り返し施行しつつ,自宅での生活を送ることができた.初回CARTからの生存期間は2.8±1.3ヵ月であった.有害事象としては,半数にCART施行当日あるいは翌日に発熱を認めた程度であり,クーリングあるいはNSAIDs使用で軽快した.【結論】CARTは施行が容易であり,重篤な有害事象を認めない.難治性腹水を伴う終末期の卵巣悪性腫瘍患者に対しCARTを施行することは,PS維持やQOL向上に寄与していると考えられ,有用な手段であると思われる.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 409-409, 2014


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