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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション8】
偶発的に発見された子宮頸部中腎管腺癌の一例


内山 美穂子1, 米山 剛一1, 加藤 雅彦1, 川瀬 里衣子1, 黒瀬 圭輔1, 寺崎 美佳2, 彭 為霞3, 石井 英昭3, 大橋 隆治3, 内藤 善哉3, 竹下 俊行1
日本医科大学付属病院産婦人科1, 日本医科大学解析人体病理2, 日本医科大学付属病院病理診断科3


 中腎管腺癌は子宮頸部の中腎管遺残組織から発生する稀有な腫瘍である.今回,卵巣腫瘍手術時に偶発的に発見された子宮頸部中腎管腺癌の一例を経験したので報告する.症例は75歳,2経妊2経産の女性.腹部膨満を自覚し他院を受診した.卵巣腫瘍を指摘され当院へ紹介となった.初診時,骨盤内に20cm大の多房性腫瘤,多量の腹水を認めた.腫瘍マーカーはCA125 58.7U/ml,CA19-9 5438.5U/mlと上昇していた.子宮頸部・体部細胞診では悪性所見なし.MRIにて子宮体部右側に20cm大の内部不均一な多房性巨大腫瘤を認めた.術前診断は粘液性境界悪性腫瘍と判断し開腹術を施行した.術中迅速病理診断は粘液性境界悪性腫瘍であり,腹式単純子宮全摘術,両側付属器摘出術,大網切除術を行った.術後病理診断にて卵巣は粘液性境界悪性腫瘍Ia期,子宮は中腎管過形成の像を伴う中腎管腺癌Ib1期と報告された.子宮頸部の中腎管遺残組織は全成人女性の約20%に認めると報告されているが,悪性腫瘍の発生は極めてまれである.子宮頸部病変の報告ではSilverらによる11例が大きなシリーズである.臨床的には閉経後の不正出血を主訴として来院することが多い.子宮頚部細胞診にて異型腺細胞を認めることがあるものの,術前の組織診では,組織像の多様性と症例の希少性により診断が困難であり摘出子宮にて診断されるのがほとんどである.本症例においても手術時摘出された子宮によって偶発的に発見された.術前に診断できるような特異的な所見を見つけることが必要であると考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 410-410, 2014


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