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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
下剤乱用による母体の偽性Bartter症から出生児の無呼吸発作に至った一例


竹内 穂高, 柿坂 宜孝, 池田 枝里, 山田 香織, 高木 緑, 戸田 文香, 吉田 康将, 師川 紘一, 高木 靖
諏訪赤十字病院産婦人科


 偽性Bartter症候群は嘔吐・下痢,利尿薬や下剤の頻用による低K血症や代謝性アルカローシスを特徴とし,Bartter症候群と同様の臨床症状を呈する.妊娠出産に関連した偽性Bartter症候群の報告例は少ないが,新生児の場合は代償性に呼吸抑制を生じ高度な蘇生を要する可能性がある.今回,新生児の呼吸抑制を契機に母体の偽性Bartter症候群の診断に至った1例を経験した.【症例】35歳,1経妊1経産.身長150cm 体重57kg(妊娠前)BMI:25.3.統合失調症および摂食障害に対し,精神科にてアリピプラゾール(エビリファイ)で治療中だったが自己判断で中止していた.妊娠16週に当科紹介となり,食事摂取は良好との申告であったが母体の体重増加は不良(最高2 kg)で蛋白尿も認めた.また妊娠27週より胎児発育不全傾向となり妊娠32週で-1.4 SDであった.妊娠37週4日に自然経腟分娩となり,2365gの男児でApgarScore 10/9点であった.出生3時間から無呼吸発作,SpO2低下(80%台後半)を認めたため小児科で精査したところ,代謝性アルカローシスによる無呼吸発作と考えられた.また母体の代謝性アルカローシス,低K血症も認め,問診により常用量を超える下剤の乱用が判明したことから偽性Bartter症候群と診断した.【考察】妊婦によっては体型変化を気にするあまり摂食障害となり,嘔吐や下痢による低K血症,代謝性アルカローシスから偽性Bartter症候群の原因となり得る.児も経胎盤的にアルカローシスとなり生命に影響する危険性がある.妊娠中に摂食障害の既往や母体の体重増加不良,蛋白尿,胎児発育不全などを認めた場合は,注意深い問診と電解質を含めた血液検査をすることで代謝異常の早期発見・予防ができる可能性がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 422-422, 2014


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