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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
骨盤内に再発・増大し,緩和療法中に自然消失した低分化型子宮体癌の一例


荒瀬 透, 清水 拓哉, 眞木 順子, 渡部 桂子, 倉崎 昭子, 秋好 順子, 永井 宣久, 持丸 佳之, 中野 眞佐男
神奈川県警友会けいゆう病院産婦人科


【緒言】我々は術後化学療法中に再発した子宮体癌に対し,治療抵抗性のため緩和治療を選択したところ腫瘍が自然消失した稀な一例を経験した.【症例】61歳,1経妊1経産.両側卵巣内膜症性嚢胞に対し,41歳時に右付属器摘出術および左卵巣嚢腫摘出術の既往あり.数年前より右下腹部痛を自覚し,1年前に他院で子宮腺筋症を指摘され鎮痛剤にて管理されたが,その後急速な腫瘍増大を認めたため精査希望で当院受診.MRI検査で子宮体部に6 cmの肉腫を疑う腫瘍のほか,右鼠径リンパ節腫大を認めた.血液検査はCA125:74.8 U/mL,LDH:373 IU/Lと軽度高値を示した.開腹手術では腫瘍が子宮を穿破し,腸管漿膜に広汎な浸潤を呈したため根治術は困難と判断.子宮腟上部切断術と左付属器摘出術,右鼠径リンパ節生検を施行した.病理検査で右鼠径部に転移を認めなかったが,子宮体部腫瘍は一部に明細胞腺癌を伴う低分化型類内膜腺癌であり,子宮体癌IIIA期と診断.子宮頸部断端は陽性であった.術後TC療法を施行したが,術後6か月のCT検査で頸部断端より発生する5 cmの再発腫瘍を認め,その後レジメン変更するも腫瘍増大は制御できず.その際,37度台の発熱と炎症反応を認めたため,抗菌剤で加療した.以降は緩和治療のみの方針とし,疼痛はトラマドールとアセトアミノフェンで管理した.症状の増悪がないことから術後1年時に再度CT検査を施行したところ,腫瘍は消失していた.術後2年経過したが,新たな再発は認めない.【結論】がんの自然消失はおよそ10万例に1例とされ,感染等による発熱が腫瘍消失に関与する報告もある.本症例も腫瘍増大時に発熱症状を認めており,この事象が経過に寄与した可能性が示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 428-428, 2014


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