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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
当院で経験した診断に苦慮した急性外陰潰瘍の一例


阿部 恭子, 細沼 信示, 中澤 悠, 竹内 淳, 波多野 美穂, 吉田 彩子, 近藤 亜未, 津田 千春, 近藤 春裕, 大原 樹, 戸澤 晃子, 鈴木 直
聖マリアンナ医科大学産婦人科


 若年女性の急性外陰潰瘍として,外陰ヘルペス,Behchet病,Lipschutz潰瘍などが鑑別として挙げられる.今回,我々は診断と治療に苦慮した急性外陰潰瘍の一例を経験したので報告する.【症例】26歳,未経妊.38℃台の発熱,関節痛,外陰痛に始まり,外陰部発疹を自覚したため,近医受診した.肉眼的所見から外陰ヘルペスの診断で,抗ヘルペス薬内服を開始しするも症状改善なく,当科紹介受診.来院時,38℃台の発熱,激しい疼痛を伴う外陰潰瘍と口腔内潰瘍があり,歩行困難,睡眠障害,経口摂取困難から入院とし精査加療を開始した.前医からの内服と合わせて1週間の抗ヘルペス薬を投与したが症状の改善なく,Behchet病などの膠原病鑑別のため,アレルギー膠原病内科と兼科した.疼痛コントロールのため,麻酔科と相談しフェンタニル持続投与に加え硬膜外麻酔まで施行し,疼痛改善を得た.入院後,陰部潰瘍は深ぼれとなり,一時増悪を認めたが,広域抗生剤と外陰部へのステロイド軟膏塗布後は潰瘍と炎症が改善した.Behchet病を疑う所見として,遺伝子検査上HLA-A26陽性,上部消化管内視鏡で食道潰瘍があり,一方,繰り返す口内炎や眼症状はなく,Behchet病の亜型を疑った.なおヘルペス抗体検査は既往感染を示し,潰瘍より採取した細胞診からもヘルペスを疑う所見はなかった.現在のところ確定診断にむけ精査中である.【考察】若年女性の急性外陰潰瘍に対し,診断・加療に苦慮した一例であった,典型的な臨床所見なく,再発の可能性も考慮し慎重に経過観察が必要であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 431-431, 2014


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