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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
抗VEGFモノクローナル抗体を併用した化学療法が有効であった胚細胞腫瘍再発で腹水細胞診が陽性であった1例


中林 正雄, 青墳 愛理, 佐川 義英, 古村 絢子, 杉原 武, 落合 尚美, 中村 泰昭, 中江 華子, 五十嵐 敏雄, 梁 善光
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科


【緒言】抗VEGFヒト化モノクローナル抗体(bevacizumab)はVEGFの血管新生作用を抑え腫瘍の増大を抑制する.卵巣癌でも化学療法に併用したbevacizumabが有効であることが知られるが,ほとんどは卵巣上皮性卵巣癌であり胚細胞性卵巣癌での報告は少ない.初回治療後に腹水産生を伴う腹腔内再発を来した卵黄嚢腫瘍に対してbevacizumab併用の化学療法を施行し,腹水産生抑制に有効であった1例を経験したので報告する.【症例】40歳2経妊2経産婦.腹部膨満感で近医を受診し,卵巣腫大と腹水貯留を指摘され紹介受診した.多量の腹水を伴う右充実性卵巣腫瘍を認め,症状軽減,組織型確認の目的で右付属器切除術を施行した.病理診断で卵黄嚢腫瘍と確定したため,単純子宮全摘術,左付属器切除,大網部分切除術を追加し,初回化学療法にBEP4コース後,TIP2コースを施行した.終了時,腫瘍マーカーのAFPも11500ng/mlから85ng/mlと低下したが,4ヶ月後にはAFPが4280ng/ml再度上昇し腹水貯留に伴う腹部膨満感の症状が出現した.CT検査で腹腔内再発所見を認め,腹水細胞診で卵黄嚢腫瘍の再発と診断した.bevacizumabとTIP療法を併用した化学療法を選択し,初回投与後に腹水貯留はほぼ消失した.その後2回にわたり同様の治療を継続中である.AFPは2040ng/mlまで低下し,その後再上昇しているが,腹水貯留に関しては現時点で3カ月にわたりほぼ完全に抑制されている.【結語】胚細胞腫瘍(卵黄嚢腫瘍)でのbevacizumabを併用した化学療法の効果は明らかではない.本症例は再発での腹水産生抑制に関して極めて有効であった胚細胞性卵巣癌症例である.Bevacizumabは今後の胚細胞性卵巣癌に対する治療選択の1つになりうると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 438-438, 2014


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