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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
ダウン症候群における一過性骨髄異常増殖症(TAM)と肝線維化


有澤 正義
都立大塚病院検査科


【背景】ダウン症候群の胎盤の特徴は未熟絨毛である.ダウン症候群の合併症である一過性骨髄異常増殖症(TAM)は21トリソミーとGATA1と呼ばれる遺伝子の異常により発症する事は知られているが,治癒過程は知られていない.また,予後に関しては,TAMが治癒しても肝の線維化による凝固異常やDICのため死亡する例がある.TAMの治癒過程と肝の線維化の発症と治療について病理学的に検討する.【材料】6例のTAM症例の末梢血のスメア,胎盤病理,3例のダウン症候群の解剖における肝の病理所見.【結果】末梢血像は,巨核芽球が,日を追って細胞質,核が成熟することにより,前巨核球,巨核球と分化する.これにより,末梢血の芽球の数は激減しTAMは治癒していた.胎盤の病理所見は6例ともその特徴的な未熟絨毛を認めた.6例中5例の絨毛血管内にTAMの芽球を認めた.2例のTAMを伴ったダウン症候群の剖検例と1例のTAMを伴わない剖検例の肝組織を検討した.結果は3例とも肝の線維化であった.TAMの肝の線維化は肝細胞周囲中心に認められた.TAMを合併していなっかた肝の線維化は門脈域よりの線維化であった.いずれの症例も線維化だけでなく,肝に高度の壊死を伴っていた.TAMを合併していた例はいずれも高度の貧血を認めた.【考察】TAMの治癒過程が成熟であることを病理的に証明した.ダウン症候群を胎内で診断し,肝腫大,胎児の貧血が疑われた場合は,TAMに対する胎児治療あるいは,状況が許すなら妊娠の継続を中止し胎外でのTAMの治療が望ましい.広汎な線維化が肝に広がってからでは手遅れなので今後胎内治療の対象となると考えた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 450-450, 2014


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