関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
術前診断が困難であった巨大変性子宮筋腫の1例


永田 瑞穂, 市川 剛, 千島 史尚, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学医学部附属板橋病院産婦人科


【はじめに】子宮筋腫は臨床においてよく遭遇する疾患であり,その診断は内診及び超音波断層法にて容易なことが多い.様々なタイプの変性をおこすが無症状で巨大な嚢胞状変性は稀である.我々は卵巣腫瘍との鑑別が困難であった巨大変性子宮筋腫を経験したため報告する.【症例】30歳.0経妊0経産.既往歴,家族歴に特記すべき事項なし.月経困難症,過多月経は認めなかった.現病歴:検診にて腹部腫瘍を指摘され前医受診した.腹部CTにて卵巣癌の疑いとなり精査加療目的に当院を紹介受診した.腹部CT,骨盤部MRIで骨盤内から肝下縁に達する多房性の壁在結節を伴う35cm大の巨大腫瘍を認めた.遠隔転移,リンパ節腫脹は認めなかった.腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.経腟超音波断層法にてほぼ正常大の右卵巣を認めたため左付属器腫瘍が強く疑われた.病側付属器切除と対側卵巣生検を予定した.手術所見:腹部を臍上まで縦切開し,腫瘍を破綻させることなく体腔外に出すことができた.悪性を思わせるような癒着,腹水を認めなかった.子宮体部は正常大で数個の漿膜下筋腫を認め,両側付属器に明らかな異常を認めなかった.腫瘍は1×3cmの茎でもって子宮後壁より発生しており,茎を切断するような形で腫瘍を摘出した.腫瘍は6kg,多房性で内容液は漿液性であった.肉眼的に明らかな充実生部分を認めなかった.病理検査結果はLeiomyoma with hydropic change of uterusであった.【考察】術前診断が困難であった巨大変性筋腫を経験した.骨盤内の腫瘍では発生場所の診断に苦慮する症例を経験することは少なくない.巨大嚢胞性疾患を認めた際に子宮筋腫変性の可能性も念頭におき,慎重に対応する必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 456-456, 2014


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会