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会長挨拶
第136回関東連合産科婦人科学会総会・学術集会の開催にあたって
第136回関東連合産科婦人科学会総会・学術集会
会長 古谷 健一
（防衛医科大学校 産科婦人科学講座 教授） |
この度は，長い伝統を誇る第136 回関東連合産科婦人科学会学術集会を担当させていただく事になり，大変光栄であります．
本学会はその名称が示す如く関東と一部中部東海地方を含む広い地域をカバーする学術集会であり，域内の会員数は約5,500 名を数え，本邦では日本産科婦人科学会（日産婦学会）に次ぐ規模とされています．
特徴は年2 回の開催で，初夏の6 月が東京都内の大学の持ち回り，秋季は他県の大学が順番に担当します．
この事は，会員先生方の情報共有と相互理解とともに，域内の様々な医療状況や区域の垣根をできるだけ取り払い，特に若手医師のより良い育成においては非常に優れた運営システムと思っております．
従いまして，これまで学会テーマを設けていないことが多かった本会ですが，今回はあえて「地域の壁を越えた医療及び臨床教育の充実に向けて」をメンイテーマとさせていただきました．
基調講演としては，本学名誉教授の永田一郎先生から主に若手医師に向けて，産婦人科手術に関する長年のご経験を踏まえた熱いメッセージをお話しいただけるものと思っております．
そして研修医や若手医師を対象とした優秀演題の表彰とともに，各種の臨床Practice を準備させていただきました．
これには，現在日産婦学会や日本産婦人科医会が強力に推進している産科救急「母体救命システム（J-MELS）」を中心に，同時に腹腔鏡下手術や婦人科針生検のHands-On セミナー等も予定しております．
更には防衛省・自衛隊に所属する本学として，大規模災害などを想定して学内で開催している「事態対処訓練」に準じた「救命救急講習会」を本学救急部の齋藤大蔵教授のご協力をいただいて開催する予定であります．
本校を卒業した自衛隊医官の役割の一端に接していただければ嬉しく存じます．
また，最近の医療工学および画像技術として関心の高い2 つの分野のエキスパートの先生方をお呼びしました．
すなわち，①先端レーザー医療の展開と大学発のベンチャー創業［荒井恒憲先生，慶應義塾大学理工学部教授，第38 回日本レーザー医学会会長（2017）］，②超微細画像8K パネルの開発と将来展望（千葉敏雄先生，元国立成育医療センター小児外科部長，カイロスCEO）の両先生には，それぞれの領域における最新の医療応用と今後の展望について，教育講演・特別講演としてお話しいただき，産婦人科の近未来像に期待したいと思っています．
一方，昨年4 月に施行された「地域医療連携推進法人制度」は今後の産婦人科医療にとっても非常に重要な取り組みであります．
これは単に在宅療養や慢性期医療だけでなく，今日の少子化対策や妊産婦のメンタルヘルスにおいても極めて必要な「産後ケア事業」も含まれており，教育講演として東日本税理士法人の長 隆理事長にご講演いただきます．
今後の周産期医療にも重要な課題であると同時に医療マネージメントの観点からも，多くの先生方のご参考にしていただければ幸いです．
さらに，指導医講習会および医療安全感染対策講習会として島津明人先生（北里大学人間科学教育センター教授）と佐野剛先生（東邦大学呼吸器内科）をお招きしてご講演をいただくことになっており，多数の先生方の受講を期待しております．
以上，第136 回本学会プログラムの概要をご紹介させていただきましたが，これも日産婦学会の藤井知行理事長（東京大学）・本学会の綾部琢哉代表（帝京大学）・埼玉県産婦人科医会の小室順義会長（入間地区医師会長）をはじめとする各方面の先生方の多大なるご指導・ご支援によるものであり，改めまして心より深く感謝申し上げます．
本学術集会が会員の先生方にとりまして，日常診療や臨床研修に少しでもお役に立つことができれば，これほど嬉しいことはありません．
結びに，若い先生方には自信を持って発表し，積極的に討論していただく事を祈念して，学会開催のご挨拶とさせていただきます．
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