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【症例報告】
卵管間質部妊娠に対し腹腔鏡下にCornuostomy(卵管切開術)を施行した1例


三村 貴志1), 石川 哲也2), 飯塚 千祥2), 宮本 真豪2), 市原 三義2), 森岡 幹2), 長塚 正晃2), 岡井 崇2)
昭和大学横浜市北部病院産婦人科1), 昭和大学医学部産婦人科学教室2)


 卵管間質部妊娠はまれな疾患であるが,近年は遭遇する頻度が上昇しつつある.死亡率は2.5%で,他の異所性妊娠と比較して高い1.今回,我々は卵管間質部妊娠に対して,腹腔鏡下にCornuostomy(卵管切開術)を行ない根治した症例を経験したので報告する.症例は31歳,1回経妊0回経産,前回左卵管妊娠にて開腹手術(左卵管切除術)の既往がある.市販の妊反検査が陽性となったため前医を受診し,卵管間質部妊娠(6週相当)が疑われ当院へ紹介となった.当院での尿中hCGは1,521 U/ml,経腟超音波検査で右卵管間質部妊娠を疑い,緊急入院とした.翌日に再度経腟超音波検査をおこなったところ,胎児心拍を認め,緊急腹腔鏡手術となった.腹腔内はクラミジア・トラコマティス感染による膜様の癒着がひどく,卵管はとぐろ状を呈し子宮後壁と癒着していた.右卵管角が軽度腫大し,腹腔内出血はなく未破裂の状態であった.右卵管角にバソプレッシンを局注後,線状に横切開を加え,胎嚢を摘出して,同部位を縫合し,手術終了とした.術後の経過は良好で,術後5日目に退院し,尿中hCGは1か月後には感度以下となった.同症例はその後体外受精で妊娠し,帝王切開術で出産したが,今回の子宮創部における筋層の菲薄化や変形などの異常所見は認められなかった.Cornuostomyは子宮損傷の少ない手術法で,症例によっては,大変有用な治療法である.

Key words:ectopic pregnancy, interstitial pregnancy, cornuostomy, laparoscopic surgery

関東連合産科婦人科学会誌, 49(1) 109-113, 2012


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