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【原 著】
S状結腸癌腫により分娩停止となった症例
石川 広巳, 鈴木 利昭
榛原総合病院産婦人科
今回S状結腸癌合併妊娠例を経験したので,報告する.症例は34歳,2経産.妊娠中下腹痛を認めていたが,経過観察していた.妊娠39週2日分娩停止の診断,緊急帝王切開術施行,S状結腸部分に腫瘤を認め,術後精査後,S状結腸癌の診断再手術となった.病理診断,ss,ly-2,v-2,ow(−),aw(−),ew(−),n(−),stageII,であった.妊娠合併結腸癌は極めて稀で,予後は一般に不良であり,妊婦でも本症の疑いがあれば便潜血,超音波検査,直腸指診,S状結腸ファイバースコピーなど胎児に影響の少ない検査を積極的に進める必要があるものと思われた.
Key words:Sigmoid colon cancer, Pregnancy, Colon cancer
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(1)
3-7, 2001
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