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【原 著】
骨髄異形性症候群(MDS)合併妊娠の1例


石塚 康夫, 種元 智洋, 鈴木 啓太郎, 杉浦 健太郎, 舞床 和洋, 川嶋 正成, 西井 寛, 渡辺 明彦, 落合 和彦, 田中 忠夫, 岩瀬 さつき**
東京慈恵会医科大学青戸病院産婦人科


 骨髄異形性症候群(MDS)は,末梢血の汎血球減少と無効造血をきたす疾患であり,その本態は多能性造血幹細胞レベルでの異常クローン増殖による前白血病状態であると考えられている.MDSは妊娠経過中増悪しやすく,MDS合併妊娠により妊娠中毒症,子宮内胎児発育遅延,胎児仮死の頻度が高くなるとの報告もある1).本邦における,MDS合併妊娠例は過去15例の報告を検索し得たのみで1),稀な妊娠合併症である.今回我々はMDS合併妊娠症例を経験し,生児を得たので報告する.症例は33歳,2経妊1経産婦(26歳時妊娠10週IUFD,30歳時妊娠30週IUFD).平成10年1月,感冒症状を主訴に近医受診した際,血小板減少および軽度の貧血を指摘され精査となった.骨髄穿刺の結果赤芽球系,巨核球系に異常を認め,MDS(RA type)と診断され,内科にて経過観察とされていた.平成11年5月妊娠成立し,当科紹介受診となった.初診時より貧血,血小板低下を認めたが,適時濃厚赤血球輸血を行い妊娠管理を行っていた.妊娠32週頃より著明な血小板低下をきたし,入院管理とした.切迫早産兆候を認めたため,子宮収縮抑制剤投与を行ったが子宮収縮抑制困難となり,血小板,濃厚赤血球輸血の上(Hb8.6 g/dl,Plt5.6×104l)33週5日選択的帝王切開術を施行し,1786 g(Apgar score 8/9)の男児を得た.現在,母児ともに経過観察中であるが,母体のMDSの増悪,および本症による新生児への影響は認められていない.

Key words:Myelodysplastic syndrome(MDS), Pregnancy, Premature labor

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(4) 333-338, 2001


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