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【原 著】
クロミフェンにより卵巣過剰刺激症候群を発症し開腹に至った1例
小倉 孝一, 池田 和則, 大川 玲子
国立千葉病院産婦人科
クロミフェン単独使用により卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndromes;OHSS)を起こした症例を経験した.症例は21歳の未経妊女性で,月経不順治療のためクロミフェン(100 mg,5日間)を服用した後,急性腹症の症状をきたし入院した.全身症状は軽微であったが,腫大した黄体嚢胞を有する卵巣は壊死し,開腹手術に至った.クロミフェンによるOHSSの発症は稀であるが,処方にあたっては本症の可能性を念頭におき,少量から開始し,卵巣腫大の有無を確かめるなど,慎重な観察が必要と思われた.
Key words:Clomiphen, Ovarian hyperstimulation syndrome
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(4)
381-384, 2001
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